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「スコットランド独立」は得策か

British Election Impact: If UK Leaves Europe Could Scotland Depart UK?

2019年12月17日(火)15時20分
パラシュ・ゴシュ

ブラウンはさらに、スコットランドに新たに独自通貨のスコットランド・ポンドをつくるというSNPの暫定案についても、問題を招くことになると主張した。

「独自通貨をつくれば準備金の積み立てが必要になるが、現在の残高はゼロだ。また財政を黒字にする必要があるが、現在は赤字。そうなると新通貨の切り下げを余儀なくされることになる」と彼は語った。「EU離脱がスコットランド経済に大きなダメージをもたらすと言うが、スコットランドが独立した場合は雇用や1人あたりの所得、投資にその3~4倍のダメージがもたらされることになるだろう」

スコットランド出身の政治ジャーナリストでスペクテーター誌の編集者でもあるフレーザー・ネルソンは、独立は「大規模な緊縮策」と「金融崩壊」を招くと警告した。

「もしもスコットランドが独立国家だったら、今の財政赤字はOECD諸国の平均と比べてかなり深刻だ」

それでもスタージョンは14日、独立の是非を問う住民投票の実施を改めて要求した。

「今回の選挙結果を見れば、スコットランドがイギリスの他の地域が選んだのとは異なる未来を望んでいることは明らかだ」と、彼女は言う。「スコットランドはボリス・ジョンソンと保守党に反対の意を示し、EU離脱に反対の声を上げた。そしてスコットランドの未来については、それがどんなものになろうとも、住民自身で決めたいという考えを示した。独自の世界観を持っている「国家」に対して、それと明らかに異なる考え方を押しつけることはできない」

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