最新記事

寄生虫

頭痛を訴えた中国人男性の脳に数百匹のサナダムシ!

Chinese Man Hospitalized With Tapeworms in His Brain After Eating Pork

2019年11月27日(水)19時55分
K・ソア・ジェンセン

サナダムシは通常は腸にいるが、繁殖期になると体内を遠くまで移動することも photographer/iStock.

<頭痛やけいれん発作が続いたら、頭のなかに寄生虫がどっさりいるかも>

中国に住む43歳のジュー・ジョン-ファは、1カ月にわたってしつこい頭痛に悩まされ、病院を訪れた。医師たちがジューの脳を検査したところ、脳に数百匹のサナダムシがいた。

浙江省杭州市に住むこの男性は、頭痛とけいれん発作がたびたび起きて地元の診療所を訪れたが診断がつかなかった。次に訪れた浙江大学附属第一医院で脳のMRI検査を受けた、と「ニュース18」は伝えている。その結果、寄生虫と寄生虫による損傷が明らかになった。

ジューは、感染症専門医の治療を受けることになった。さらなる検査で、ジューの上半身のほかの部分にも多くの寄生虫がいることがわかった。

医師は動画情報サイト「梨視頻(Pear Video)」に対して、「患者の脳内に、複数の占拠性病変が認められる」と語った。「肺にも、胸腔内の筋肉にも、同様の病変が認められた」

生焼けの肉を食べた記憶があるかと問われたジューは、1カ月前に食べた火鍋があやしいかもしれないと話した。

<参考記事>脳腫瘍と思って頭を開けたらサナダムシだった!
<参考記事>北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

その生態は複雑怪奇

サナダムシの卵は、感染した動物の糞に含まれているが、顕微鏡でなければ見えない。成虫になると、26フィート(約8m)にまで成長することもあり、一生に最大5万個の卵を産む。

虫卵は、華氏145度(摂氏約63度)で加熱調理するか、24時間以上冷凍しなければ死なない。虫卵が生きたまま経口で体内に侵入すると、たいていは腸に住みつく。餌になる栄養分が豊富な場所だ。繁殖する際には、そのための追加の栄養を求めて体内をさらに遠くまで移動することもある。

幼虫は、成長する過程で自身の周囲に保護嚢胞(シスト)をつくる。幼虫が移動すると、嚢胞が腐敗し、感染症が発症する。これが引き金となり、けいれん発作、頭痛、人格変化が生じることもある。脳内の幼虫を殺すためには駆虫薬が使われるが、幼虫がいたことにより生じた損傷を治す方法はない。

神経嚢虫(のうちゅう)症と呼ばれるこの症状は、衛生施設が充実していない発展途上国で見られることが多い。決してレアケースではなく、中枢神経系の感染症としては世界でもっとも多い症状だ。こうした寄生虫は、米国ではほぼ撲滅されている。米国でも、入院を要する症例が年間1000件ほど発生するが、その大多数は、世界の別の地域から移り住んだ人だ。

(翻訳:ガリレオ)

20191203issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月3日号(11月26日発売)は「香港のこれから」特集。デモ隊、香港政府、中国はどう動くか――。抵抗が沈静化しても「終わらない」理由とは? また、日本メディアではあまり報じられないデモ参加者の「本音」を香港人写真家・ジャーナリストが描きます。

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日経平均続騰、高値圏でもみ合い:識者はこうみる

ワールド

メキシコ、新型コロナ新規感染者3891人 過去最多

ワールド

米司法長官、ホワイトハウス近くのデモで警察に直接対

ワールド

インド首相、トランプ氏からG7サミットへの招待受け

MAGAZINE

特集:検証 日本モデル

2020-6・ 9号(6/ 2発売)

日本のやり方は正しかったのか? 感染対策の効果を感染症専門家と考える

人気ランキング

  • 1

    西浦×國井 対談「日本のコロナ対策は過剰だったのか」

  • 2

    韓国総選挙にデジタル不正疑惑か? 中国から開票機を操作した可能性

  • 3

    レストランで騒ぐ息子が店員に叱られた話、FBに投稿したら炎上した... なぜ?

  • 4

    警官と市民の間に根深い不信が横たわるアメリカ社会…

  • 5

    ブラジル、食肉施設で約2400人が新型コロナ感染 南部…

  • 6

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がア…

  • 7

    新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(1…

  • 8

    中国請負の高速鉄道建設が工期遅延に予算超過 イン…

  • 9

    東京都「東京アラート」発動、レインボーブリッジ赤く…

  • 10

    新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(2…

  • 1

    ロンドンより東京の方が、新型コロナ拡大の条件は揃っているはずだった

  • 2

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に

  • 3

    ギター人気復活を導く「スーパークール」な和製ギター

  • 4

    レストランで騒ぐ息子が店員に叱られた話、FBに投稿…

  • 5

    新型コロナの死亡率はなぜか人種により異なっている

  • 6

    「NO JAPAN」に揺れた韓国へ「股」をかけて活躍した日…

  • 7

    韓国総選挙にデジタル不正疑惑か? 中国から開票機…

  • 8

    ブラジルのコロナ無策は高齢者減らしのため?

  • 9

    「イギリスが香港のために立ち上がらないことこそ危…

  • 10

    北朝鮮の民間経済を圧迫する独裁者の国債

  • 1

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に

  • 2

    金正恩「死んだふり」の裏で進んでいた秘密作戦

  • 3

    気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること

  • 4

    スズメバチが生きたままカマキリに食べられる動画が…

  • 5

    過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 …

  • 6

    日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいってい…

  • 7

    コロナ禍で露呈した「意識低い系」日本人

  • 8

    コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当…

  • 9

    ロックダウンは必要なかった? 「外出禁止は感染抑…

  • 10

    優等生シンガポールの感染者数が「東南アジア最悪」…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月