最新記事

動物

インドネシア、巨大ヘビから妻救出した夫、ブタ丸呑みで立ち往生のヘビ救った男たち

2019年11月1日(金)17時30分
大塚智彦(PanAsiaNews)

女性に巻きついたという体長6mのヘビ Surya Malang Tribunnews via Twitter

<地球上のいたるところで自然破壊が進むとともに、野生動物と人間の遭遇や事故が増えている。その対照的な事件が起きた......>

インドネシアで全長が6メートル以上の巨大ヘビによる被害が最近また増えている。妻に巻き付いた巨大ヘビと格闘して救出した夫が「勇気ある男性」としてネット上でヒーローとなる一方、野生のブタを丸呑みしたものの身動きができなくなったヘビを住民が救出するなど、ヘビをめぐるホットな話題が続いている。

丸太があると思っていたら巻き付いて......

10月30日に地元「トリビューン・ニュース」が伝えたところによると、同月29日午前9時ごろ、スマトラ島北部のアチェ州ランサバロ県ジュランサにあるゴム農園で男性スプリアディさん(40)がゴムの樹から樹液を取る仕事をしていたところ、約10メートル離れた水田で働いていた妻ジャミラ・アリアス・ウピックさん(36)の大きな悲鳴を聞いた。あわてて妻のところに飛んでいったアプリアディ氏が見たのは巨大なヘビに足の方から巻き付かれた状態のジャミラさんだった。

アブリアディ氏は樹液採取のために手にしていた鉈で妻に巻き付いているヘビに切りかかり、なんとかヘビの頭部を切り落とすことに成功し、ジャミラさんは「呪縛」から解放された。

ジャミラさんは「最初は丸太があると思っていたら突然ヘビが体に巻き付いてきた」と話したという。アプリアディさんが付近の病院に担ぎ込んで現在治療中だが、ジャミラさんの命には別条がないという。

このニュースが報じられるとインターネットなどのSNSでたちまち拡散され、アプリアディさんは「危険を顧みずにヘビと戦った」「妻を救うためとはいえ英雄的行為だ」などと評判を呼び、一躍地元のヒーローになっているという。

その後の調べでジャミラさんに巻き付いたヘビは全長6メートルの巨大ヘビだったことがわかっている。

ブタ丸呑みして身動きできぬヘビ

newsweek_20191101_161138.jpg

十分太いはずの首も細い尻尾のようになったヘビ DayaniDhanz via facebook

一方facebookに最近投稿された動画では、野生のブタを丸呑みして身動きがとれずに水溜りにはまっていたヘビを、住民らが救出する様子がアップされ、話題となっている。

スマトラ島リアウ州バンカリス県ブキット・バトゥ郡にある荒地にあった水溜りに異常にお腹が膨れた約8メートルのヘビがいるのを地元住民が発見した。人間ではなく野生のブタを丸呑みしたことからヘビを殺すのではなく捕獲して別の安全な場所に移送することになり、住民らによる捕獲作戦の様子が動画撮影されている。

ヘビに噛まれないように頭部をガムテープ状のものでぐるぐる巻きにしたのち、数人がかりで鉄格子のついた檻(おり)に押しこんだ。作業に当たる住民らは「引っ張れ」とか「重たいな」などと声を上げながら結構楽しみながら作業に当たっている様子がアップされている。

ヘビを収容した檻は軽自動車の荷台に乗せられて、別の場所に運ばれたという。

20191105issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

10月29日発売号は「山本太郎現象」特集。ポピュリズムの具現者か民主主義の救世主か。森達也(作家、映画監督)が執筆、独占インタビューも加え、日本政界を席巻する異端児の真相に迫ります。新連載も続々スタート!

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米ブラックロック、短期投資に重点 長期見通しに不透

ワールド

FRB議長「自分の仕事に100%注力」、トランプ氏

ワールド

米・イスラエル首脳、7日会談へ ガザ・イラン情勢協

ビジネス

FRB議長、利下げ前に一段のデータ「待つ」姿勢を再
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    未来の戦争に「アイアンマン」が参戦?両手から気流…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中