最新記事

イギリス

拾った財布、機転を利かせて持ち主に返した驚きの方法

2019年10月24日(木)15時15分
松丸さとみ

財布を拾ったのは、キャメロンさんとたまたま同じ歳、住んでいる場所も3キロ程度しか離れていないサイモン・バイフォードさんだった。キャメロンさんと同じように職場から自転車で帰宅しようとしていたところ、「財布が寂しそうに道路に落ちていた」のを見つけた。持ち主に連絡しようと財布の中身を見てみたところ、ティム・キャメロンという名前であることが分かった。しかしフェイスブックでこの名前を探してみたら、同姓同名があまりにも多かったという。

預けられるような場所も周囲になかったため、バイフォードさんはどうしようかと思案。すると以前、人に送金した際に照会欄があったことを思い出した。バイフォードさんのこのひらめきで、無事に持ち主の元に財布が戻されたのだった。

無くし物が戻った経験談で溢れるコメント欄

キャメロンさんのこのツイートには現在、18万件近くのいいねと、1800件以上のコメントが付いている。中には、銀行のカードに口座番号などの情報が書かれていない国の人と思われる、「拾った人はどうやって口座の番号が分かったの?」との疑問も。「英国ではカードに書いてあるのが普通だよ」とキャメロンさんは返信している。

また、自分が無くし物をした際に親切な人が届けてくれた話や、逆に自分が届けた話を共有する人も少なくない。ある人は、自分の娘がポルトガルで財布を無くした際に、拾った人がフェイスブックで娘を見つけだし、連絡をくれたと書いている。財布の中の現金を使って英国に送り返してほしい、とお願いしたが、戻ってきた財布の中身は一切使われておらず、全額入っていたという。

ある人は逆に、自分の父親がアマゾンの電子書籍デバイス「キンドル」を拾ったときの話を書いている。キンドルの持ち主のメールアドレスも分からず、アマゾンに問い合わせても助けにはならなかったが、ツイート主の父親は、キンドルのアカウントに別のデバイスが登録されていることに気づいた。

そこで、拾ったキンドルのデバイス名を、「XXX(電話番号)に電話して」に変え、さらに持ち主が読んでいた本のページを、それよりも前に動かした。こうすることで、持ち主が他のデバイスで同じ本を読もうとしたときに、前に読んでいたページに移動するか?とメッセージが出てデバイス名が表示され、確実に「XXX(電話番号)に電話して」を相手に見てもらえるためだ。このおかげで無事、持ち主と連絡が取れ、キンドルを返すことができたという。

キャメロンさんのツイートへの返信の中には、こんなコメントもあった。「善良な人って、私たちが思っているよりたくさんいるのかもね」

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中