最新記事

事件

英トラックコンテナの39人遺体、多数がベトナム人の可能性

2019年10月28日(月)10時10分

英ロンドン近郊グレーズでトラックのコンテナから39人の遺体が発見された事件で、犠牲者の多くがベトナム人だった可能性が高まっている。写真は犠牲者の1人とみられているJoseph Nguyen Dinh Luongさん。10月27日、 ベトナムのハティン省で撮影(2019年 ロイター/Kham)

英ロンドン近郊グレーズでトラックのコンテナから39人の遺体が発見された事件で、犠牲者の多くがベトナム人だった可能性が高まっている。英警察は当初、中国人と発表していた。

犠牲者の家族は27日にロイターの取材に対して、身元確認のために公安省の警官が訪れ、家族のDNAサンプルや髪の毛、血液を取得したと語った。

ベトナム政府は現時点でコメントに応じていない。ベトナムのグエン・スアン・フック首相は26日、この事件の捜査を命じた。

英警察26日、この事件で北アイルランド出身の25歳の男を過失致死や人身売買などの罪で訴追したと発表した。27日には既に逮捕した3人を保釈したと明らかにした。

警察は当初、犠牲者は中国人と発表していたが、ベトナム人の可能性が浮上している。ほとんどは正式な身分証明書がなく、指紋や歯型などの記録、友人や親族の持っている写真などで身元確認を急いでいる。

英国の中国とベトナム大使館は、英警察と協力していると説明している。

犠牲者の多くは、ベトナムの中でも特に貧しい北部のゲアン省とハティン省の出身とみられる。どのような経緯で事件に巻き込まれたかは不明。

英政府の調査によると、2009年から16年の間にベトナムから英国に密入国したベトナム人の約70%は、大麻製造所やネールサロンなどで低賃金労働を強いられていたという。

[CAN LOC(ベトナム)/ロンドン 27日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中