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ラグビーW杯

ラグビーが統合する南北アイルランド

2019年9月26日(木)15時40分
ウィリアム・アンダーヒル(在英ジャーナリスト)

現在は新たな課題もみえている。アイルランド共和国とイギリスの両方がEU(欧州連合)に加盟して以来、北と南の古い対立感情は改善されてきたが、イギリスのEU離脱の可能性が高まっている今、国境を超えた共通理解の精神の真価が問われている。ブレグジット後に通関手続きを伴う厳格な国境が復活すれば、南と北の関係にどんな影響が及ぶのか。

それでも過去の歴史を振り返れば、「アイルランドは1つ」というラグビーの精神が簡単に崩壊するとは考えにくい。「信じ難いことだが、これまでは何とかうまくやって来た」と、元代表主将のブライアン・オドリスコールは自身が制作した昨年のドキュメンタリーで語っている。「『アイルランドとは何か』について、(北と南の)ファンの間に共通点はない。それでも(試合がある)土曜日の午後の数時間は、1つの国になれる。そのことにすごく大きな誇りを感じるんだ」

ラグビーは荒々しく激しいスポーツだが、少なくともアイルランドでは平和の懸け橋の役割も果たしている。

<本誌2019年10月1日号掲載>

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※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。

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