米中対立の発火はポーランドから ファーウェイ「スパイ」事件の全貌
友情の絆
王容疑者はロイターに対し、ドゥルバイヴォ容疑者と出会った時期や、情報機関職員であることを知った時期は正確には覚えていないと回答した。ただ、2013年に深センにあるファーウェイ本社を訪問したポーランド政府代表団に、同容疑者が参加していたことを明かにした。
電子通信局長だったガイ氏は、「スパイ活動防止」のため、ISAで経験のある同容疑者を同行させたと説明した。
王容疑者は、ドゥルバイヴォ容疑者との付き合いについて、最初は全てサイバーセキュリティなどの仕事関係だったとしている。また、ファーウェイが香港で行ったブロードバンド関係の会議に同容疑者をポーランド当局の代表として招待し、同容疑者が応じたことを明らかにした。
事情に詳しい人物によると、ドゥルバイヴォ容疑者はこの2015年の会議に参加した代表団の1人で、その際深センのファーウェイ本社も訪問したという。
この間に、王容疑者とドゥルバイヴォ容疑者は親しくなった。
「2016年に息子が生まれる前、ポーランド人の友人にどの病院がいいかアドバイスを求めたが、ピョートルが良い医者を見つけてくれた」と王容疑者は説明し、「いつも親切に手を差し伸べ、温かいアドバイスをくれた」と振り返った。
王容疑者は、ドゥルバイヴォ容疑者にファーウェイの職をあっせんしようとしたこともある。しかし、それは「うまくいかなかった」としている。
王容疑者は、逮捕後はドゥルバイヴォ容疑者を目にしていないと述べ、「このゲーム」における同容疑者の役割も分からないとした。
だが王容疑者は、ファーウェイが標的になったことは驚かないとしている。2018年の終わりには、ポーランドが米国に追随して「ファーウェイに対して行動を起こす」と予測していたという。
ただし、「個人が標的になるとは思わなかった」と付け加えた。
(Joanna Plucinska記者、 Koh Gui Qing記者、 Alicja Ptak記者、 Steve Stecklow記者、翻訳:山口香子、編集:久保信博)
[ワルシャワ ロイター]