最新記事

建築

21世紀に輝き続ける世界の偉大な現代建築8選

Great Architects & Their Famous Buildings

2019年7月6日(土)11時15分
ニューズウィーク日本版編集部

パシフィック・デザイン・センター STEVE PROEHLーCORBIS DOCUMENTARY/GETTY IMAGES

<古来から建築物はその時代の物語を世に伝えてきた――新時代を照らし出す偉大な現代の建築家の代表作を紹介>

建築ほど、ある社会の文化を映し出すものはないといっていいだろう。ローマのコロッセオ(円形闘技場)、インドのタージ・マハル、カンボジアのアンコールワット......。古来、建築物はその時代の物語を世に伝えてきた。新ミレニアムを照らし出す偉大な建築家と代表作を紹介しよう。

◇ ◇ ◇


01 パシフィック・デザイン・センター(ノーマ・メリック・スクラレック)

【冒頭写真】

スクラレックはアメリカの黒人女性建築家の先駆けだ。パシフィック・デザイン・センターの「青い鯨」と呼ばれる建物はロサンゼルスの象徴ともいえる存在。建築界の巨匠セサル・ペリのパートナーとして彼女も設計に携わったと広く考えられているが、黒人で女性だったため正式に設計者に名を連ねることはなかった。唯一、正式にスクラレックの作品と認められているのは東京のアメリカ大使館だ。

02 ラ・ムライヤ・ロハ(リカルド・ボフィル)

magc190705_02.jpg

ABBPHOTO/ISTOCKPHOTO

スペインの建築家ボフィルが設計したカルぺ(スペイン)のリゾート施設群ラ・マンサネラ内にある遊び心あふれる集合住宅。スペイン沿岸部の地中海とアラブの影響が巧みに、かつ鮮やかに融合されている。50年たった今も斬新さは色あせていない。

03 オスカー・ニーマイヤー美術館(オスカー・ニーマイヤー)

magc190705_03.jpg

CESAR FERRARIーREUTERS

ブラジル南部クリチバの美術館は「ニーマイヤーの目」と呼ばれる展示スペースが特徴的。鋼鉄とガラスを使うのは「ブラジル・モダニズム建築の父」の典型的なスタイルだ。

04 ベルリン新ナショナル・ギャラリー(ルートビヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)


magc190705_04.jpg

MANFRED BRUCKELS/WIKIPEDIA

ドイツ出身の「近代建築の巨匠」が設計した美術館は完全オープンプランで柱や壁は最小限。地上と地下の2層構造で、梁は片方の端だけが固定され、もう片方は外部からの支えなしに宙に浮いているように見える。

05 ヘイダル・アリエフ・センター(ザハ・ハディド)

magc190705_05.jpg

SAIKO3P/ISTOCKPHOTO

アゼルバイジャンの首都バクーに12年に完成。ハディドらしい流線形の女性的なフォルムが旧ソ連圏に初登場した。アゼルバイジャン文化の感性と未来への楽観が融合されている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:失言や違法捜査、米司法省でミス連鎖 トラ

ワールド

アングル:反攻強めるミャンマー国軍、徴兵制やドロー

ビジネス

NY外為市場=円急落、日銀が追加利上げ明確に示さず

ビジネス

米国株式市場=続伸、ハイテク株高が消費関連の下落を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 5
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中