最新記事

新兵器

6枚の刃で切り裂く米極秘暗殺兵器「ニンジャ爆弾」

What Are Ninja Bombs? Pentagon's New Secret Missiles Kill Target With Blades

2019年5月13日(月)15時00分
デービッド・ブレナン

ウォール・ストリート・ジャーナルは、R9Xの具体的な使用例を2件特定した。1件は米国防総省、もうひとつはCIAによるものだ。2000年の米駆逐艦コール爆破テロの首謀者ジャマル・アル・バダウィは2019年1月にイエメンの空爆で殺害されたが、このときにR9Xが使用されたといわれている。国防総省は攻撃を認めたが、使用した兵器の種類は明らかにしていない。

2017年2月にエジプト人のアルカイダ上級幹部アフマド・ハサン・アブ・カーイ・アルマスリがシリアで暗殺された件も、CIAが指示したR9Xによるものとみられている。ただし、CIAは認めていない。

どちらの場合も、目撃者の証言と攻撃後の写真は、通常のヘルファイア・ミサイルによる攻撃ではないことを示していた。爆発によるダメージがなく、破片が見当たらないことから、爆発しない兵器が使われたことがわかる。

ウォール・ストリート・ジャーナルはR9Xの開発スケジュールの詳細な情報は入手できなかった。また、CIA、米国防総省、ヘルファイアの製造元であるロッキード・マーティンはこの件についてのコメントを控えている。

(翻訳:栗原紀子)

20190514cover-200.jpg
※5月14日号(5月8日発売)は「日本の皇室 世界の王室」特集。民主主義国の君主として伝統を守りつつ、時代の変化にも柔軟に対応する皇室と王室の新たな役割とは何か――。世界各国の王室を図解で解説し、カネ事情や在位期間のランキングも掲載。日本の皇室からイギリス、ブータン、オランダ、デンマーク王室の最新事情まで、21世紀の君主論を特集しました。

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ヒルトンとマリオット、アフリカ事業拡大計画発表 

ビジネス

事業投資に必須な経営の自由度と採算性確保=USスチ

ワールド

インドは外国に干渉、カナダ情報機関が報告書 首脳会

ビジネス

日鉄株が乱高下、USスチール買収で増資に言及し思惑
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 6
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 7
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 8
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中