最新記事

日本経済

新元号「令和」の日本、転換点の景気 世界情勢が舵取り左右

2019年4月2日(火)06時00分

昭和は金融恐慌とともにスタート

一方、慶祝ムードの足元で、注意すべき現象も見え隠れするとの指摘もある。不動産アナリストの長嶋修氏は「元号が変わるときには、世界経済が大きく変わる」とブログで発信し、国内不動産市況の先行きに警鐘を鳴らしている。

実際、平成元年(1989年)はベルリンの壁崩壊後に日経平均<.N225>が3万8000円超の史上最高値を付けたものの、翌年からバブルが崩壊。その後、「失われた20年」とも呼ばれる「デフレ」の時代に突入した。

大正から昭和への改元では、第1次世界大戦中の好景気の反動不況による後遺症が長引き、昭和2年(1927年)に金融恐慌が勃発した。

昭和5年(1930年)には、前年の世界大恐慌に続く昭和恐慌で国内経済が疲弊。経済成長の可能性を中国大陸に求めようという空気が経済界にも広がり、軍部が主導した日中戦争に対する大きな反対世論は形成されなかった。

横浜国立大学の上川孝夫名誉教授は「たまたま元号が変わる時期が世界経済の大きな変動期に重なってきた」と説明する。「明治の初めは世界的な金本位制導入期、大正から昭和への両大戦の戦間期は、世界経済の中心が英国から米国に移行する時期に重なった」とみる。

現在は「米国一極から、米国・中国・欧州など複数の極が基軸通貨などを競う時代に移行しつつあるのではないか」と予測する。

景気の現状、政局のジンクス

第2次安倍内閣が発足した平成24年(2012年)12月から始まった景気拡大期は今年1月に6年2カ月となり、政府は「戦後最長を更新した可能性が高い」との認識を示している。しかし、足元の統計では景気後退入りの可能性も浮上、3月の月例経済報告で政府は景気の総括判断を下方修正した。「令和」の時代を前に景気は転換点を迎えている可能性がある。

双日総研の吉崎氏は「明治から大正、大正から昭和、昭和から平成と元号が変わった後、4━6カ月以内に首相が交代しているジンクスもある」と指摘する。

今後、統一地方選や夏の参院選をにらんだ選挙モードに移行する中で、そのジンクスが、今回も動き出すのかどうか、まずは4月の統一地方選と衆院補選の結果に永田町関係者の注目が集まっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イラン和平交渉が物別れ、バンス氏「イランが米条

ビジネス

円高につながる金融政策、「一つの選択肢」=赤沢経産

ワールド

アングル:中南米系の共和党支持に動揺の兆し、民主党

ワールド

アングル:結婚式前に手っ取り早くやせたい インドで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけない副作用に研究者が警鐘
  • 2
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦によって中国が「最大の勝者」となる理由
  • 3
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 4
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    革命国家イラン、世襲への転落が招く「静かな崩壊」
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 9
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中