最新記事

事故

犬を救おうとした高校生2人のありえない死に方

Teenage Boys Fatally Electrocuted During Dog Rescue

2019年4月3日(水)18時27分
カシュミラ・ガンダー

事故があった水路 KPIX CBS SF Bay Area/YOUTUBE

<水に落ちた犬を救おうとした優しい心の持ち主が17歳で命を落とさなければならなかった理由>

カリフォルニア州で4月1日、犬を救おうとした10代の少年2人が不運な事故で死亡する悲劇が起こった。

オンラインメディアのPatch.comによると、1日の昼頃、ディクソン市の消防局に、市境にある水路で事故が起きたという通報が入った。ディクソン市はカリフォルニアの州都サクラメントの南西に位置するソラノ郡北部の街だ。

現場に急行した救急隊員が、意識不明で水路脇の土手に倒れている少年2人を発見した。

ジェイコブ・アワムーザス(17)とジェイコブ・シュナイダー(17)という2人の少年は、水路に落ちた犬レンジャーを救おうとして事故に遭ったと、ソラノ郡保安官事務所の係官はFOXニュース40に語った。

水路に落ちたレンジャーを救うために水に入った少年たちは、感電死したとみられている。彼らが水に流されまいとして掴まった金属製の橋に、電気が通っていたというのだ。

突然息子を失ったアワムーザスの母親は、「息子は溺れたのではないんです、感電死なんです」と、信じられないという表情でメディアに語った。「電源を切るか、立ち入り禁止にしておけば、防げる事故だったのではないか。これは怠慢です」

現場にいてすべてを目撃したもう一人の少年によると、2人は橋に手が吸い付いたように動かなくなっていたという。彼は何とかその手を橋からはがして2人を助け出し、土手に寝かせた。その間に、一緒だったもう一人の少女が消防に通報した。

その後2人は病院に搬送され、レンジャーもソラノ郡動物管理局に運ばれ、治療を受けたが、少年2人は死亡が確認された。レンジャーは怪我をしているが命に別状はないという。

カリフォルニア州高速道路警察隊はフェイスブックへの投稿で、「残念ながらこの事故は、救急隊員や保護者が誰1人望んでいない結末を迎えた」と書いている。「病院に搬送する前の状況で実行可能だったすべての救命措置を試みたものの、2人の少年は死亡を宣告された」

死亡した2人は、どちらもディクソン高校の生徒だった。

(翻訳:ガリレオ)

20190409cover_200b.jpg

※4月9日号(4月2日発売)は「日本人が知らない 品格の英語」特集。グロービッシュも「3語で伝わる」も現場では役に立たない。言語学研究に基づいた本当に通じる英語の学習法とは? ロッシェル・カップ(経営コンサルタント)「日本人がよく使うお粗末な表現」、マーク・ピーターセン(ロングセラー『日本人の英語』著者、明治大学名誉教授)「日本人の英語が上手くならない理由」も収録。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中