最新記事

テロ

「目の前で男性が撃たれた」 ニュージーランド銃乱射事件、生存者たちの証言

2019年3月18日(月)16時20分

3月18日、ニュージーランド南島クライストチャーチのアルヌール・モスクで15日発生した銃乱射事件の生存者が自らの体験を語った。事件現場で撮影(2019年 ロイター/Jorge Silva)

それはニュージーランド(NZ)南島クライストチャーチのアルヌール・モスクで15日、金曜日の礼拝が始まって間もなくの出来事だった。

武装した男が押し入り、イスラム教徒に向かって銃撃を始めたとき、サルダー・ファイサルさんはトイレの中にいた。シェイク・ファハドさんは走って逃げ、アミール・ダウドさんは車の中で妻とただじっとしていた。

彼らは、50人が死亡し、多数が負傷したNZ史上最悪の銃乱射事件の数少ない生存者だ。

交通量の多い道路を挟んでクライストチャーチの植物園の向かいに立つアルヌールは、今回銃撃された2カ所のモスクの1つで、最初に攻撃を受けた。

このモスクに男が到着して間もなく、ヒナ・アミールさんは礼拝に行く夫のダウドさんを降ろすため車を止めた。

銃声が聞こえたとき、ダウドさんは車から出ようとしていたが、再び車の中に身を潜めた。

「妻が『銃撃だと思う』と言って、私は『いや、クライストチャーチでそんなことが起きるわけない。電気のショートか、そんなものだ』と答えた」と、ダウドさんはロイターに語った。

人々がモスクから逃げ出してくるのが見えたヒナさんは、車を狭い私道に移動させた。そのころ銃撃犯はモスクの外に出てきていた。

「突然、犯人から銃撃された」とダウドさん。モスクから走って彼らの方に向かって逃げてきた若い男性が目の前で銃弾に倒れたという。

「私の目の前で、男性は2発撃たれた。私はこの目で見た。それから、私たちにも危険が及んだ」

「私は妻を押さえつけて、上に覆いかぶさった」

銃弾は車の窓やダッシュボードなど至るところに当たり、社内は煙やエアコンガスで充満した。だが、ダウドさん夫妻には1発も当たらなかった。

手でペダルを操作しながら、夫妻は車を十分に安全な場所まで移動させた。近くの住人が彼らに叫んで自宅に隠れるよう招き入れてくれた。

モスクの中では、最初の5分間、銃撃犯は礼拝に訪れた人たちを銃撃し続け、1つの部屋だけで10人以上が犠牲となった。

犯人はその間、自分の車に戻って銃を取り替え、またモスクの中に入っていき、無差別に銃撃した。アルヌール・モスクでは41人が命を落とした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済活動、7地区で緩やかな拡大 見通しは全体に楽

ワールド

イラン、CIAに停戦協議打診か イスラエルは米に説

ワールド

ハメネイ師息子モジタバ師、後継有力候補との情報 米

ビジネス

プーチン氏、欧州向けガス供給の即時停止の可能性を示
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中