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米朝首脳会談

トランプ、金正恩と「恋に落ちた」の真意

Pompeo Explains How Trump 'Fell In Love' With Kim

2019年2月25日(月)14時30分
ジェイソン・レモン

1月末には情報機関のトップが、北朝鮮と金に関するトランプの楽観的な評価を否定した。

トランプ自身が指名したダン・コーツ国家情報長官は米上院情報委員会の公聴会で「我々は北朝鮮が大量破壊兵器能力の保持を目指していると見なしている。北朝鮮の指導部は体制維持に核兵器が不可欠と考えているため、同国が核兵器とその生産能力を完全に放棄する可能性は低いと考える」と証言。「こうした見方は、我々が捉えた、完全な非核化とは矛盾する一部の活動に裏付けられている」と説明した。

情報機関の指導部は同公聴会で、イランについても大統領の外交政策とは食い違う報告を行っており、トランプはこれに反発して、彼らは「認識が甘く」「学校に戻って勉強し直す」べきだと批判していた。

24日朝、大統領は再び北朝鮮と2回目の米朝首脳会談について前向きな見方を示した。

トランプはツイッターに、「25日の早朝に、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に向けてベトナムのハノイに出発する。我々はいずれも、シンガポールでの第1回首脳会談で達成した進展が継続されることを期待している」と投稿。さらに「非核化?」と問いかけている。

2月21日には、かつてCIAで朝鮮半島情勢の分析責任者を務めていたブルース・クリングナーが「(昨年6月の)シンガポールでの米朝首脳会談以降、非核化は全く進んでいない」と指摘。彼は北朝鮮が非核化とは逆の方向に進んでいることを示す報告書や衛星写真を引証し、「北朝鮮は核開発を継続している」と主張した。

しかしトランプは24日の別のツイートの中で、こう主張した。「金委員長は、核兵器を放棄すれば自国がすぐにでも世界有数の経済大国になれることを、おそらくほかの誰よりも分かっている。北朝鮮はその地理と人々(そして彼)のお陰で、ほかのどの国よりも急成長を遂げる潜在能力を秘めているからだ!」

(翻訳:森美歩)

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