最新記事

選挙

タクシン元首相が続々立候補!? タイ総選挙、当選狙う候補が裏技 民政移管は実現するか?

2019年2月6日(水)19時15分
大塚智彦(PanAsiaNews)

今でもタクシン、インラックという兄妹の首相経験者はタイの国民に人気が高い。Chaiwat Subprasom/REUTERS

<8年ぶりに実施されるタイ総選挙。その候補者受付で、今は海外にいるはずのタクシン元首相が何人も立候補するという「事件」が発生している>

3月24日に投票が行われるタイの総選挙への立候補者の届け出が2月4日から一斉に始まった。タイでの総選挙は実に2011年7月以来の8年ぶりの実施となり、2014年5月にクーデターで政権を掌握した軍政からの民政移管を実現するもので、下院(定数500)の議席を争う。5日までの2日間で60政党の6474人が立候補届け出を済ませた。これは前回2011年の総選挙時の立候補者2422人を大きく上回る数で、8日午後4時半の立候補届け出締め切りまでさらに増えることが予想され、民政移管への国民、有権者の高い関心を示しているといえる。

総選挙にはタイ北部や東北部の農村地帯、貧困層に依然として高い人気を誇るタクシン元首相と妹のインラック前首相を支持する「タイ貢献党」と2018年9月に結党された親軍政政党「国民国家の力党」、反軍政でタクシン派とも距離を置くアピシット元首相率いる「民主党」、さらに元実業家のタナトーン党首の「新未来党」などによる激しい選挙戦が予想され、どの政党も単独での過半数獲得は困難とみられている。

総選挙は首都バンコク地区の30選挙区を含め全国350の小選挙区制と比例代表制の組み合わせで実施される。

政権維持を図る軍政の意向を受けた「国民国家の力党」は全国全ての選挙区に立候補者を擁立しタクシン派を抑えこみたい方針で、軍政トップのプラユット首相を首相候補として擁立する方針を示しているが、これまでのところプラユット首相からの公式の受諾はないという。

「タクシン」「インラック」候補が続々と登場

これまでの立候補者届け出で、「タイ貢献党」から分派して結成された「タイ国家維持党(タイ国家貢献党とも)」からは男性のタクシン候補者が10人、女性のインラック候補者が4人立候補を届け出た。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米、高金利で住宅不況も FRBは利下げ加速を=財務

ワールド

OPECプラス有志国、1─3月に増産停止へ 供給過

ワールド

核爆発伴う実験、現時点で計画せず=米エネルギー長官

ワールド

アングル:現実路線に転じる英右派「リフォームUK」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中