最新記事

イスラム教

恋人たちのハグ厳禁! インドネシア・アチェ州、公共の場で抱擁した18歳カップルを公開むち打ち刑に

2019年2月2日(土)20時00分
大塚智彦(PanAsiaNews)

インドネシアのアチェ州は人口のほとんどがイスラム教徒のため刑罰としてのむち打ちが認められている REUTERS/Oviyandi Emnur

<恋をする若い男女ならいつでもどこでもぴったり寄り添っていたいもの。だがそうした自然な行為が罪になる国や地域は意外にも少なくない>

インドネシアのスマトラ島最北端のアチェ州で18歳の男女カップルが公衆の面前で抱擁したという「罪」で公開のむち打ち刑を受けた。

世界最大のイスラム教徒人口を擁するインドネシアだが、イスラム教は国教ではなく他宗教も認める多様性が国是となっている。しかし、アチェ州は圧倒的多数派を占めるイスラム教徒(人口約500万人の98%)によりシャリア(イスラム法)が適用されている唯一の州で、むち打ち刑はイスラム倫理の規範違反に問われた人びとに科される刑罰のひとつとして公然と認められている。

1月31日に州都バンダアチェのイスラム教寺院であるモスクの前に設けられた壇上に宗教警察関係者と18歳の男女が順次引き出され、籐製のむちで背中をそれぞれ17回打たれた。周囲には約数百人の一般市民が集まり、むち打ちの様子を見守った。

女子大生の18歳の女性は同じ年の恋人と人々がいる公の場で抱き合う抱擁をしていて摘発され、数カ月の拘留を経て、この日むち打ち刑を受けたという。

同日には地元の食品店で40歳の女性と婚外性交を持った35歳の男性も同様にむち打たれた。相手の女性は体調が思わしくなく医師団の判断でこの日のむち打ちは延期された。

2018年の12月には未成年の女子と不純異性性交した罪で男性2人がそれぞれ100回のむち打ち刑を受けている。むち打ちの回数100回というのはほぼ最高刑で、身体的負担はかなり大きいとされる。

アチェ州が2001年に特別自治権を獲得して以来、適用されているイスラム法によると、未成年との性交や婚外性交などの男女間の倫理に加えて、ギャンブルやアルコール飲酒、同性愛性交などが主な処罰の対象で、刑期を短縮するためにむち打ち刑を受けるケースも多いとされている。


インドネシアのアチェ州で恋人たちに行われた公開むち打ち刑 South China Morning Post / YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米とイスラエル、イラン攻撃で目標にずれ 

ワールド

イラン攻撃は「ロシアンルーレット」、 スペイン首相

ワールド

焦点:イラン戦争で米の対中防衛手薄になるか、同盟国

ビジネス

台湾の輸出受注、1月は60.1%増で過去最高 AI
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中