最新記事

動物

【動画】井戸に落ちた子ゾウを救出せよ

Elephant Rescued From 40-Foot Well

2019年1月24日(木)13時40分
バイシュナビ・バイディアナタン

井戸から這い上がろうとする子ゾウ CGTNOfficial/TWITTER

<インド南部で畑の井戸に子ゾウが転落。森林レンジャーが4時間におよぶ救出作戦を展開した>

インドで深い井戸に落ちた4歳の子ゾウが発見され、森林レンジャーの奮闘の末、無事救出された。

南部のタミルナド州で21日、村人が畑にある井戸のほうからゾウの鳴き声がするのに気づいた。近づいてみると、井戸に落ちた子ゾウが溺れまいと必死でもがいていた。

驚いた村人はすぐに森林管理局に通報。森林レンジャーと消防・救急隊員、獣医、野生生物保護活動家らが現場に駆けつけた。4輪駆動のトラクターショベル1台も持ち込まれた。救出チームは井戸にロープを吊り下げて子ゾウの体に巻き付け、引き上げようとしたが、作業は難航し、4時間後にようやく助け出せた。


救出作戦を指揮した森林レンジャーのアユーブ・カーンによると、出動したのはレンジャー30人、消防・救急隊員5人、獣医2人。当初はロープで引き上げる計画だったが、うまく行かなかった。井戸に落ちてから発見されるまで数時間もがいていたらしく、ゾウは体力を消耗していた。

救出チームは井戸に金属のパイプを数本投げ入れ、ゾウをそれにつかまらせた。そしてトラクターショベルで井戸の側壁を壊し、土の傾斜路を造った。力尽きたゾウをロープで少し引きずり上げると、ゾウは気力を取り戻したのか、最後は自力で歩いて上がった。井戸から出るとすぐさま森に走り去ったと、地元紙タイムズ・オブ・インディアは伝えている。

「井戸の直径は4.5メートルで、水深も4.5メートルあったので、ゾウはどこにもぶつからず怪我せずにすんだのが幸いだった」と、カーンは語った。

川で溺れたゾウも

インドでは昨年3月にも北部のウッタラカンド州で、老いた野生のゾウが川で溺れ、森林管理局に救出された。川に設置された堰に打ちつけられ、動けなくなったゾウがいるとの通報を受け、森林レンジャーが現場に急行。河川管理局と連携して、水路への水の供給を一時的に止め、ガンジス川本流に向かう水門を開けて、ゾウをそちらに誘導した。

「流れが激しかったため、ゾウは(ヒマラヤ山脈の麓の都市)リシケシ近くの堰にぶつかって、身動きできなくなっていた。水位を下げるしか手がなかった。ゾウは流れにもまれて消耗しており、一刻の猶予もならなかった」と、森林レンジャーはBBCに話した。河川管理局の協力を得て、数分間だけ水位を下げて流れを調節、ゾウは無事にガンジス川の岸辺に上がり、森林レンジャーにエスコートされて森に帰った。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米高裁、シカゴ州兵派遣差し止め命令巡りトランプ政権

ビジネス

FRBミラン理事、利下げ加速を要請 「政策は予測重

ワールド

中東和平への勢い、ウクライナでの紛争終結に寄与も=

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米中通商摩擦再燃が重し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体は?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 8
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 9
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 10
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中