ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米中通商摩擦再燃が重し

2025年10月17日(金)06時52分

10月16日、ニューヨーク外為市場では、米中の通商問題を巡る懸念が再燃していることを背景に、ドルが主要通貨に対し下落した(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米中の通商問題を巡る懸念が再燃していることを背景に、ドルが主要通貨に対し下落した。市場では米連邦準備理事会(FRB)を含む中央銀行当局者の発言も注目されている。

この日は日銀の清水誠一理事が国際金融協会(IIF)主催のセミナーで、プラス金利という新たな環境に日本経済がどう反応するか不透明なことを踏まえると金融政策の正常化は極めて慎重に進める必要があるとの考えを示した。これを受けドルは対円で下げ幅を拡大し、終盤の取引でドル/円は0.46%安の151.35円。

米中の通商問題を巡っては、 米政府高官が15日、中国によるレアアース(希土類)の輸出管理強化について世界のサプライチェーンへの「脅威」と非難。中国国営メディアは16日、中国にレアアース規制の緩和を求める米国に対し7項目の反論を発表した。

ストーンXの調査責任者、マット・ウェラー氏は「米中の貿易摩擦が外国為替市場の最大のテーマになっている」と指摘。「トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談を月内に控え、中国は圧力を強めているようにみえる」とし、「こうした行動が交渉を優位に進めるための試みなのか、中国が本格的な『デカップリング(切り離し)』に踏み切る用意があるのかという点が鍵になる」と述べた。

FRB当局者の間では、ウォラー理事が雇用情勢を示す指標がまちまちとなっていることを踏まえ、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを支持すると発言。ミラン理事は他のFRB当局者よりも積極的な利下げの道筋をたどるべきとの考えを改めて表明した。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.33%安の98.35。

ユーロ/ドルは0.36%高の1.1688ドル。フランスのルコルニュ首相は16日、2件の不信任案に直面したものの、いずれも否決された。マクロン大統領が進めてきた年金制度改革を2027年の大統領選後まで停止すると約束し、社会党の支持を取り付けたことが奏功した。

ドル/円 NY終値 150.42/150.44

始値 151.17

高値 151.37

安値 150.22

ユーロ/ドル NY終値 1.1687/1.1688

始値 1.1655

高値 1.1694

安値 1.1647

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ノンバンク融資に絡むリスクへ監視強化を、IMFが各

ビジネス

景気減速、予想ほど進んでいない可能性=ミネアポリス

ビジネス

仮想通貨規制、各国で「重大な格差」とリスク指摘=F

ビジネス

トランプ大統領と独メルク、不妊治療薬値下げと関税免
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体は?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 6
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 7
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 8
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 9
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 10
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中