最新記事

ブレグジット

イギリスのEU離脱阻止を目指しオランダでアイドルグループが結成された

2019年1月8日(火)18時40分
松丸さとみ

「英国よ、どうか行かないで」と恋人に訴えかけるような気持ちを歌い上げるBreunion Boys

<このままEUに残って欲しい、それだけを伝えるために結成されたボーイバンドがオランダに登場した>

ユンケル委員長「しっかりしなさい」

2019年は、英国が欧州連合(EU)を離脱する年、ブレグジットの年だ。「Xデー」は今年3月29日の予定だ。とはいえ、EU側となかなか条件が折り合わず、昨年あたりから話がだいぶ混乱気味になってきた。ブレグジットをめぐる指導力を問われたテリーザ・メイ首相の信任投票が行われたり(結局、信任されてメイ首相はことなきを得た)、「ブレグジットを問う国民投票をもう1度実施しよう」という声が上がったり(今後実施される可能性はまだ残っている)。

欧州委員会のユンケル委員長はドイツの日曜紙ヴェルト・アム・ゾンタークとのインタビューで、英国に対してしびれを切らしたかのように、英国民に伝えたい言葉として「しっかりしなさい。君たちが求めているものは何なんだ」と述べている(英エクスプレス紙)。

2016年に行われた国民投票でEUからの離脱が決まって以来、ブレグジットは「英国とEUの離婚」と描写されてきた。単に法的な決めごとのみならず、離れるには感情的な難しさもあるだろうし、比喩としてぴったりだ。

英国への愛を歌うオランダ発のボーイバンド

そんななか、「英国よ、どうか行かないで」とまるで恋人に訴えかけるような切ない気持ちを歌い上げるボーイバンドがお隣の国オランダに登場した。その名も「Breunion Boys」(ブリユニオン・ボーイズ)だ。「英国と連合する」という名前が示すとおり、このままEUに残って欲しい、それだけを伝えるために結成されたグループだ。

ロイター通信によると、バンドを作ったのはアニメーターのユリア・ヴェルドマンさん。英国が国民投票で離脱を決めたと知った時、「泣きじゃくった」という。

そんなユリアさんがなぜ、離脱阻止にボーイバンドという手を使ったのかについては、ユリアさん自身がビデオで説明している。英国の「離脱派」と「残留派」の間には、「テイク・ザットが好き」という共通点があったというのだ。テイク・ザットとは、かつて世界的に大人気を誇った英国のアイドル・グループだ。

Breunion Boys - Britain Come Back

そこでユリアさんは、テイク・ザットのようなボーイバンドを作ってこの思いを表現しようと、オーディションをしてメンバーを募ったという。もちろん、オーディションで判断する点は歌と踊りのみならず、「英国とEUの永遠なる友情を信じている」という部分も大切な要素だった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米韓制服組トップ、地域安保「複雑で不安定」 米長官

ワールド

マレーシア首相、1.42億ドルの磁石工場でレアアー

ワールド

インドネシア、9月輸出入が増加 ともに予想上回る

ワールド

インド製造業PMI、10月改定値は59.2に上昇 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中