最新記事

韓国経済

苦境の韓国企業にようやく光明? 電気自動車用電池で中国規制に変化

2019年1月6日(日)13時50分

自動車用バッテリーを製造する韓国のLG化学やサムスンSDIといった企業は、手痛い損失を重ねた投資の末、ようやく中国市場に一筋の明るい光明を見出しつつある。写真は8月、浙江省湖州の電気自動車のバッテリー工場(2019年 ロイター)

自動車用バッテリーを製造する韓国のLG化学やサムスンSDIといった企業は、手痛い損失を重ねた投資の末、ようやく中国市場に一筋の明るい光明を見出しつつある。

彼らが苦労した原因は何か──。それは3年前に発表された中国政府が推奨するバッテリー製造企業のホワイトリストだ。これに従うことで自動車メーカーは潤沢な補助金の取得が可能となったが、このリストには外国企業が含まれていなかった。

それ以来、中国という世界最大の電気自動車(EV)用バッテリー市場において、同国の寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪股分有限公司(BYD)を筆頭とする競合企業が事実上シェアを独占してきたのである。

だが、中国が国内の自動車用バッテリー市場を開放する兆候が出てきたことで、これまで既存の中国生産拠点を輸出向けに切り替えざるを得なかった韓国企業も、投資拡大に意欲を見せつつある。

LG化学は7月、中国で第2の自動車用バッテリー生産工場に約2兆ウォン(約2000億円)を投資し、2019年10月に生産開始すると発表。一方、SKイノベーションは中国工場に4000億ウォンを投資し、EVバッテリーの主要部品を製造する予定だ。

サムスンSDIは中国におけるバッテリー生産能力の拡大を検討していると述べており、同社のマイケル・ソン上級副社長は、同社が中国の「保護主義的政策」の漸進的変化に対応しつつある、と述べた。

「複数の中国自動車メーカーと積極的に協議している」と、ソン上級副社長は10月、決算発表の電話会議で語った。

大気汚染対策を進める中国は本格的なEVへの移行を目指しており、同国の自動車用バッテリー市場の世界全体の61%に相当。その規模は年間130億ドル(約1.4兆円)と推定されている。

つまり、自動車用バッテリー製造企業としてそれぞれ世界第4位、6位にランクされるLG化学、サムスンSDIにとって、中国市場は成長のために不可欠な市場となっている。

「中国のバッテリーメーカーは、恐ろしい勢いで成長している。われわれが生き残って、彼らをリードできるかどうかは、今後2─3年が正念場だ」とサムスンSDIの関係者は語った。

MAGAZINE

特集:遺伝子最前線

2019-1・22号(1/16発売)

革命的技術クリスパーで「超人」の誕生も可能に── 人類の未来を変えるゲノム編集・解析の最新事情

人気ランキング

  • 1

    北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い

  • 2

    米政府閉鎖で一カ月近く無給の連邦職員、食料配給に殺到

  • 3

    「お得意様」は気づいたら「商売敵」に 中国の猛追へ対策急ぐドイツ

  • 4

    人の頭を持つ男、指がなく血の付いた手、三輪車に乗…

  • 5

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両…

  • 6

    インドネシア当局、K-POPアイドルBLACKPINKのCM放映…

  • 7

    人工衛星で「夜空に広告」──ロシア新興企業のプラン…

  • 8

    【動画】中国の会社従業員「四つ這い」懲罰に非難殺到

  • 9

    エイリアンはもう地球に来ているかもしれない──NASA…

  • 10

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 イン…

  • 1

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 インドネシア、違法飼育の容疑で日本人を捜索

  • 2

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、被害続発する事情とは

  • 3

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両手は縛られていた

  • 4

    エイリアンはもう地球に来ているかもしれない──NASA…

  • 5

    北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」という…

  • 6

    人の頭を持つ男、指がなく血の付いた手、三輪車に乗…

  • 7

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 8

    宇宙から謎の「反復する電波」、2度目の観測:地球外…

  • 9

    タイ洞窟の少年たちは見捨てられる寸前だった

  • 10

    NGT48山口真帆さん暴行事件に見る非常識な「日本の謝…

  • 1

    炎上はボヘミアン・ラプソディからダンボまで 韓国の果てしないアンチ旭日旗現象

  • 2

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 3

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非難された3つの理由

  • 4

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 5

    日韓関係の悪化が懸念されるが、韓国の世論は冷静──…

  • 6

    オーストラリア人の94%が反捕鯨の理由

  • 7

    アレクサがまた奇行「里親を殺せ」

  • 8

    ジョンベネ殺害事件で、遂に真犯人が殺害を自供か?

  • 9

    日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

  • 10

    インドネシア当局、K-POPアイドルBLACKPINKのCM放映…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月