最新記事

性犯罪

赤ちゃんもレイプするペドフィリアの男たち、その罪状

Man Convicted of Plotting to Rape Seven-Month-Old Baby

2018年11月29日(木)16時45分
ジェニ・フィンク

子供が生まれる前から両親に取り入って油断させていたケースもあった katarzynaBialasiewicz/iStock.

<陪審員はトラウマに注意。警察も反吐を吐きたくなるような最悪の組織犯罪が暴かれた>

イギリスで生後7カ月の赤ちゃんをレイプしようとした男が有罪判決を受けた。英国家犯罪対策庁(NCA)が実施したペドフィリア(小児性愛者)組織に対する一連の捜査で有罪判決を受けたのはこれで8人目。

英紙インディペンデント紙によれば、被告のマシュー・ロウ(50)は13歳以下の子供に対するレイプを計画した罪を認め、11月27日に2週間に及ぶ公判を終え、有罪を言い渡された。

「今日の有罪判決は、小児性愛者の摘発に断固とした姿勢で臨むNCAの決意の表れだ。今後もあらゆる手段を講じ、加害者を一人残らず摘発する」と、NCAのルーク・フィリップスは同紙に語った。

webw181129-pedo02.jpg
普段はよき父、よき勤め人のふりをしていたロウ NATIONAL CRIME AGENCY


フィリップスはさらに、ペドフィリアたちとネット上で繋がり、子供のわいせつ画像を閲覧またはシェアした者は誰であろうと身元を突き止め、法の裁きにかけると言った。

NCAは2014年から、匿名化ソフト「トーア」(Tor)および特定のソフトがないと接続できない「ダークウェブ」を使って情報をやり取りしていたペドフィリア組織の捜査を始めた。トーアとダークウェブが障害となりネットではメンバーの身元を特定できなかったが、捜査官らは電話やメッセージ、スカイプなどの通信履歴を手掛かりに、8人のメンバーの割り出しに成功した。

「あれはモンスター」

小児性愛のケースはあまりに卑劣で、裁判に関わる関係者にも辛い経験だ。英紙ガーディアンによれば、2015年の関連裁判で検察官を務めたロバート・デイビーズは、陪審員にこう警告したという。「あなた方は、見たくもなかった世界を目にすることになる。男たちが赤ちゃんや乳幼児を性的虐待する様子を映した証拠もある」

メンバーはみな社会的に認められた仕事に就き、自分の家族を持つことで本性を隠しつつ、常習的に5歳以下の子供を狙って犯行に及んでいた、とデイビーズは言った。

報道によれば、8人の犯行については警察さえが、これまで見たことがないほど「卑劣で邪悪」と言ったという。メンバーはネットで幼い子供に対する性的嗜好を話し合った後、子供を性的虐待する目的でさまざまな家族を標的にしたようだ。NCAの上級捜査官であるイアン・グローバーはガーディアンに対し、赤ちゃんが生まれる前から両親に近づき油断させていたケースもあったと語った。

「彼らは本性を隠したモンスターだ」と、NCAの捜査副部長を務めるグラハム・ガードナーは言った。「子供への性的虐待でも、これほど卑劣な犯行を目にするのは稀だ。最悪の組織犯罪だ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中