最新記事

ブレグジット

EU離脱で土俵際のメイ英首相、後任候補の顔ぶれ

2018年11月17日(土)18時23分

11月15日、与党・保守党を率いるメイ英首相は、英政府が合意したEU離脱協定案に反発し、離脱支持派の首相就任を求める反EU派議員からの攻撃にさらされている。写真は、後任候補の1人、レッドサム下院院内総務。ロンドンで13日撮影(2018年 ロイター/Simon Dawson)

与党・保守党を率いるメイ英首相は、英政府が合意した欧州連合(EU)離脱協定案に反発し、離脱支持派の首相就任を求める反EU派議員からの攻撃にさらされている。

メイ氏は次期総選挙が行われる2022年までの続投を表明したが、辞任を求める議員が一定数に達すれば不信任投票に持ち込まれる。

メイ氏の主な後任候補の略歴は以下の通り。

●ボリス・ジョンソン氏(54歳)

メイ氏批判の急先鋒。メイ氏のEU離脱交渉の進め方に抗議し、7月に外相を辞任した。多くの反EU派から2016年のEU離脱キャンペーンを代表する人物と目され、10月の保守党党大会では強い口調で自説を展開した。保守党は低税率と強硬な政策という従来の方針に回帰し、左派、労働党の政策を模すべきではないというのが持論。

●ジェレミー・ハント氏(52歳)

7月に辞任したジョンソン氏に代わり、保健相から横滑りで外相に就いた。保守党員はEU離脱を巡る見解の相違をいったん棚上げし、共通の敵であるEUとの戦いで団結すべきだ訴えている。2016年の国民投票ではEU残留に投票した。6年にわたり保健相を務めた経歴を持つが、有権者の支持は今一つ。

●ジェイコブ・リースモグ氏(49歳)

古き良き英国紳士のイメージを醸し出す富豪で、離脱急進派の一部から熱狂的な支持を得ている。影響力を持つ反EU議員グループのトップで、離脱協定案が公表された翌日にメイ氏に不信任の書簡を送りつけた。ただこのほど、自身は首相に就任するつもりはないと表明した。

●ドミニク・ラーブ氏(44歳)

離脱協定案は保守党の公約に反するとして、15日にEU離脱担当相を辞任した。在任期間はわずか5カ月だった。閣僚としては新参者に属するが、2010年の当選以来、閣外相を歴任している。16年の国民投票では離脱を訴えた。空手の有段者。

●サジード・ジャビド氏(48歳)

元バンカーで自由市場主義者。入閣後は大臣の座を歴任し、党内で支持を固めてきた。パキスタン系移民の第二世代。反EU派とみられていたが、16年の国民投票では残留支持に投票した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

自民党総裁に高市氏、初の女性 「自民党の新しい時代

ワールド

自民党の高市新総裁、金融政策の責任も「政府に」 日

ワールド

高市自民新総裁、政策近く「期待もって受け止め」=参

ワールド

情報BOX:自民党新総裁に高市早苗氏、選挙中に掲げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 4
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 5
    謎のドローン編隊がドイツの重要施設を偵察か──NATO…
  • 6
    「吐き気がする...」ニコラス・ケイジ主演、キリスト…
  • 7
    「テレビには映らない」大谷翔平――番記者だけが知る…
  • 8
    墓場に現れる「青い火の玉」正体が遂に判明...「鬼火…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 10
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 6
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 7
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中