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「儲かるエコ」の新潮流 サーキュラー・エコノミー

日本の消費者は欧州と違う、循環型経済に日本企業はどうすべきか

CHANGING NEEDS

2018年10月11日(木)12時00分
大橋 希(本誌記者)

持続可能性や環境保護という観点からリサイクルや再利用を始めた時代には、日本企業の取り組みはあまり進展しなかった。値段が2倍でも環境意識の高い製品を消費者が選ぶのなら、企業もそれを差別化の源と考えるが、欧米に比べて日本の消費者はそうした意識が低いこともあったのだろう。

サーキュラー・エコノミーでは消費者のニーズを正確に捉えるビジネスモデルへの転換が必要だ。そうしなければ乗り遅れると、日本企業も危機感を持って取り組み始めている。義務だからではなく儲かるからと思えば、高いリサイクル技術を持つ企業が画期的な事業開発をしたり、リサイクル前提の商品作りももっと進むかもしれない。

ニーズに合ったサービス提供では「仕事が発生する場所」も変化するので、地方創生にもつながり得る。大量生産型経済では工場が価値を生むが、サービス利用が中心になれば人が住み、使う場所で付加価値が生まれる。例えば1つの製品をできるだけ長期間使ってもらい、収益性を高めるためにメンテナンスが今より頻繁に行われれば、そこに雇用も生まれるだろう。

【参考記事】パンの44%が廃棄処分、だからビールを作りました
【参考記事】昆虫食は人間にも地球にも優しい(食糧危機対策になるだけでなく)

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