最新記事

スポーツ

ナイキ、NFLキャパニック選手の広告起用後に商品売り切れ急増

2018年9月21日(金)08時02分

9月19日、米ナイキが、米プロフットボールNFLの国歌斉唱で片膝をつき人種差別への抗議の意を示したコリン・キャパニック選手を広告塔に起用した後、売上高が61%増加していたことがトムソン・ロイターの調査で分かった。写真はビルの屋上に掲げられた同社広告。米サンフランシスコで今月5日撮影(2018年 ロイター/Alexandria Sage)

米ナイキが、米プロフットボールNFLの国歌斉唱で片膝をつき人種差別への抗議の意を示したコリン・キャパニック選手を広告塔に起用した後、ネット通販で売り切れとなった商品が61%増加していたことがトムソン・ロイターの調査で分かった。

キャパニック氏の起用後、ツイッターなどではナイキ商品に対する不買運動の投稿が広がった。トランプ米大統領も明確な証拠を示さずに「ナイキは怒りや不買運動によって息の根を止められるだろう」とツイッターに投稿した。

ロイターがスタイルセージ社とまとめた調査によると、9月3ー13日に完売した商品は、広告展開前の10日間に比べて大幅に増加した。広告展開前に比べて割引価格で販売する商品も減り、キャパニック氏の名前が入った女性用ジャージは17日に売り切れとなった。

トムソン・ロイターの消費調査担当ディレクター、ジャロン・マーティス氏は「この強い数字は、ナイキが揺るぎない企業だという見方を裏付けるものだ。これは社会的な意味合いだけを言っているのではない。同社は、他のブランドで命取りとなりがちな値引き合戦に加わる必要もない」と説明した。

ナイキの株価は当初急落したが、約1週間後には値を戻し過去最高値をつけた。現在は急落時から約7%上がり、上昇率はダウ工業株30種平均の1.9%を上回っている。

トムソン・ロイターのアイコン・ソーシャル・メディア・モニターによると、ナイキに対するインターネット上の意見も好意的なものに変化しつつある。

カナコード・ジヌイティ社のアナリスト、カミロ・ライオン氏は先週、顧客向けノートに「キャパニック氏を起用したナイキのキャンペーンは素晴らしい発想だ。熟慮されており、ナイキの強さと市場での地位に対する自信が言外に、しかししっかりと表れている」と記した。

[19日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

植田総裁、21日から米国出張 ジャクソンホール会議

ビジネス

中国のPEセカンダリー取引、好調続く見通し 上期は

ワールド

マスク氏が第3政党計画にブレーキと報道、当人は否定

ワールド

訪日外国人、4.4%増の340万人 7月として過去
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 10
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中