最新記事

音声アシスタント

「アレクサ、おめえ、スコットランド人嫌いだべ!?」

2018年8月24日(金)16時50分
松丸さとみ

「おめえ、スコットランド人嫌いだべ! このクソ女が!」

デイリーメール紙は、スコットランド人女性がアレクサに曲をかけてもらうためのコマンドをなかなか理解してもらえない様子をとらえたビデオを電子版記事に掲載している。そこでは、「ダナ」というシンガーの曲をスポティファイでかけるようリクエストしているのだが、「ダナ」の発音を理解してもらえず、「ドナのその曲はありません」と言われ続けている。

なかなか理解してもらえない女性はアレクサに悪態をつきまくり、最終的に「標準語」のイングランド・アクセントでリクエストすると、見事に理解してもらえた。やっとお目当ての曲をわかってもらえた女性は喜びつつも怒りは収まらなかったようで、「おめえ、スコットランド人嫌いだべ! このクソ女が!」と叫んでいる。



テクノロジーは進化したのに訛り対応はまだまだ

ライフ・サイエンス・センターのリンダ・コンロン最高経営責任者は、「訛りがある人に聞いてみるといいですよ、音声認識に対してどれだけ苦労しているか。その昔、10代のころに自動電話システムで映画情報を聞こうとして苦労した人たちが、今スマートフォンやスマートスピーカーで同じ苦労をしているんです。テクノロジーは進化したのに、訛りへの対応はなされていません」と述べた。

かつて英語圏には、ある電話番号にかけて自分が見たい映画タイトルを言うと、自動音声認識システムが判断して映画館情報や開始時間を教えてくれるという電話サービスがあったのだ。

ニューカッスル大学でスピーチや言語科学を教えるローレンス・ホワイト博士は今回の調査結果について、「もしデバイスにしか話しかけていなくて、そのデバイスが自分の訛りを理解してくれなければ、長期的には発話の仕方が変わってしまうかもしれない。でも話すという行為には社会的な力があるため、見慣れた顔を見たとたんまたいつもの訛りに戻るものです」と説明。音声認識デバイスの普及で訛りが消滅するという考えには否定的だ。

メーカー側は訛り対応に取り組んでいると回答

イブニング・スタンダード紙によると、今回の調査に対しアマゾンは、複数の訛りにアレクサが対応できるよう取り組んでいると話し、「多くの人がさまざまな訛りでアレクサに話せば話すほど、彼女は話すパターンや語彙、個人の好みに慣れていきます」と説明している。

グーグルはイブニング・スタンダードに宛てた文書の中で、グーグル・ホームがさまざまな訛りを認識でき、特に英国の訛りには優秀であることに誇りを持っている、と述べたという。「機械学習のおかげでグーグル・ホームの音声認識能力は飛躍的に向上しており、今後も改善し続けます」としている。

音声認識に関するリサーチを行なっている米企業アプローズの英国代表であるサム・オメーラ氏はイブニング・スタンダードに対し、「テクノロジーは私たちの暮らしを便利にするためにあるもので、テクノロジーの限界に私たちを無理やり従わせるためにあるものではない」と話した。

ユーザーがいつもの話し方を変えなければならないなら、疲れてしまい最終的にはデバイスを使用しなくなってしまうだろう、と指摘。ありとあらゆるバックグラウンドとさまざまな訛りや方言を持った現実の人間に向けてデバイスをテストしていく重要性を語っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米への外国観光客は昨年6%減、欧州や日本にシフト=

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、急騰の反動売り 米株安は

ワールド

ベセント氏「過度な為替変動望ましくない」、日米財務

ビジネス

米、シェブロンにベネズエラでの操業拡大を認可へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 3
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 8
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 9
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 10
    宇宙に満ちる謎の物質、ダークマター...その正体のカ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中