最新記事

消費社会

中国カフェ戦争、スタバに挑む急成長の配達重視「中華珈琲」チェーン

2018年8月1日(水)16時00分

ラッキンの顧客は、アプリを使ってコーヒーを注文し、そのコーヒーが入れられる様子をライブ映像で確認し、自宅玄関まで平均18分で配達してもらえると、会社側は説明している。

レギュラーサイズのラテは、スタバのグランデサイズとほぼ同じ大きさで、価格は24元(約390円)。配達にさらに6元かかる。ただ、35元以上の注文で配達が無料になるほか、割引を使えば半額になる。スタバのグランデサイズのラテは、31元だ。

半数以上のラッキン店舗は、広いリラックスできる造りの店舗か、数席のみの持ち帰り主体の店舗で、残りは配達専門だ。

ラッキンの成長速度は目覚ましい。スタバは、同数の店舗を構えるようになるまでに約12年かかったが、ラッキンの成長過程は、配車サービス会社、滴滴出行(ディディ・チューシン)のように、市場を掌握するために資金をつぎ込み、結果として高評価を得るようになったテクノロジー企業の成長過程に相通じるものがある。

前職は配車サービスUcarの最高執行責任者(COO)だった銭CEOは、現段階でのラッキンの重点は、顧客獲得にあると話す。

「利益目標のタイムラインは持っていない」

北京の本社でその日3杯目のコーヒーをすすりながら、彼女はロイター記者に話した。

「私たちがいま気にしているのは、顧客の数、リピートしてくれているかどうか、ブランドが認知されているかどうか、そしてシェアを広げられるかどうかだ」

同社は今月、GICからの金額非公開の融資を含め、事業拡張資金2億ドル(約220億円)を獲得した。GICは、同社の企業価値を10億ドルと評価したという。

「将来は、スターバックスよりも多くの店舗を持つだろう」と、銭氏は宣言した。

今月の資金調達に参加した投資家の1人は、中国コーヒー業界に地殻変動が起きても不思議はないタイミングだと話す。

「国の消費レベルが上がるなか、このビジネスモデルは若い顧客に受けるだろう」と、プライベートエクィティ投資会社ウォーバーグ・ピンカス・パシフィックの前ヘッドを務めたデービッド・リー氏は言う。同氏は、自分が立ち上げた投資会社センチュリウム・キャピタルでラッキンの資金調達ラウンドを主導した。

オンライン注文や配達の仕組みだけを見ても、他のブランドを浮き足立たせるのに十分だと、米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーのパートナーで、上海に拠点を置くブルーノ・ラネス氏は言う。

「大きな脅威だ。西側のブランドも関心を払うべきだ」と、ラネス氏は付け加えた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金融政策巡る次期FRB議長の訴追は「大統領次第」=

ワールド

ロシアとウクライナ、捕虜交換で合意 三者協議2日目

ワールド

米ロ、新START当面順守で合意間近と報道 ロ報道

ワールド

米公務員制度、1世紀ぶり大改革 大統領が5万人の人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 8
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 9
    習近平の軍幹部めった斬りがもたらすこと
  • 10
    日本経済低迷の主因である「空洞化」をなぜ総選挙で…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    日本はすでに世界有数の移民受け入れ国...実は開放的…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中