最新記事

ネットビジネス

打倒ECの巨人アマゾン 実店舗持つウォルマートが挑むラストマイル配送の壁

2018年8月5日(日)17時35分

米国住民の9割は、ウォルマートが国内展開する4700店舗から10マイル(16キロ)圏内に居住しているが、それでも同社は効率的な宅配方法を見出すため、ここ数年で数十億ドルをネット小売事業に投じている。

直近では、昨年のクリスマス商戦の際、ウォルマートのネット売り上げは一部の投資家を落胆させた。

ネット注文の商品については、近隣のウォルマート店舗で顧客が受け取ることができる。また、日常的な宅配については、フェデックスや米国郵政公社(USPS)などの物流業者と提携している。

ウォルマートは、今年末までに米国世帯の40%以上に食料品を配達可能にするという目標を掲げている。

グローバルでは、メキシコでバイク宅配を試行しており、中国では新たな小型スーパーによる30分以内での配達を試している。日本でも注文対応の支援に新たな倉庫を開設して、ネット販売する商品を食材セットにまで拡大している。

今年初め、ウォルマートが宅配事業におけるウーバー及びリフトとの提携を解消した、とロイターが報じた。両社にとって人と荷物を一緒に運ぶことが難しかったためだ。

ウォルマートの食料品配達は引き続きポストメイツやデリブ、ドアダッシュなどの企業が引き継ぎ、先週にはアルファベット傘下ウェイモとの提携を発表している。

<懐疑的なドライバー>

中産階級向けの緑豊かな郊外住宅地、ニュージャージー州イーストブランズウィックで行われたウォルマートの「アソシエイト宅配」実験プログラムは、まず店長が従業員に対して一風変わった昇給手法を売り込むことから始まった。それは経歴審査をパスした従業員は、ウォルマート・ドットコムの宅配ドライバーを副業にできる、というものだ。

一部の従業員は、会社を利するための制度にもかかわらず、自分の車と自動車保険を使わなければならないと聞いてしり込みした、とロイターに匿名で語った。

従業員の参加を募るため、会社側は無料でテレビやアップルの「iPad(アイパッド)」を提供。最終的に150人以上のアソシエイトのうち約50人が参加したが、多くが配達員の経験はなかったという。

ウォルマートはこれについてコメントを拒否している。

ロイターが取材した同社従業員16人のうち14人は、報酬が悪かったためにこのプログラムから離脱したと語った。また16人全員が、事故や商品紛失時の責任の所在について、懸念を口にした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油

ビジネス

米FRBは年内1─2回の利下げ必要=SF連銀総裁

ワールド

トランプ氏、イランとの取引国に「2次関税」 大統領
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 10
    「エプスタインは悪そのもの」「悪夢を見たほど」──…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 9
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 10
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中