フィリピンGDP、第2四半期は前年比5.5%増 1年ぶり高い伸び

フィリピン統計局が7日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.5%増加した。写真はマカティ市で2017年1月撮影(2025年 ロイター/Romeo Ranoco)
Mikhail Flores
[マニラ 7日 ロイター] - フィリピン統計局が7日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.5%増加した。農業の急回復と堅調な国内消費に支えられ、1年ぶりの高い伸びを記録。中央銀行の金融政策スタンスに一段の柔軟性を与える内容となった。
第1・四半期は5.4%増だった。ロイターがまとめたエコノミストの予想も5.4%増だった。
バリサカン国家経済開発長官は記者会見で、「この実績により、フィリピンはアジア新興諸国の中で最も急速に成長する経済圏の地位を維持する」と述べた。
季節調整済みの前期比伸び率は1.5%。エコノミスト予想は1.3%だった。
統計局によると、第2・四半期の経済成長に大きく貢献したのは農業部門で、同部門は7%増と前期の2.2%増から伸びが加速した。
インフレ鈍化を背景に家計消費も前年比5.5%増と、2023年第1・四半期以来の高い伸びとなった。
バリサカン氏はインフレ率の鈍化とこれまでの金利調整の効果に言及し、上半期の成長率がすでに5.4%となったことから、政府の通年成長率目標である5.5─6.5%の下限達成は「十分に可能」だと述べた。
また、フィリピン製品に対する米国の関税が通告されていた20%から19%に引き下げられ、外部環境の不確実性が取り除かれたことも、見通しを支援していると指摘した。
レモロナ中銀総裁は先週のロイターとのインタビューで、中銀は緩和バイアスを維持する方針を堅持しており、年内に主要政策金利を2回引き下げる見通しだが、そのタイミングは経済成長とインフレの動向次第だと述べた。