最新記事

ハワイ

イルカとクジラのハイブリッドを確認、世界初

New Dolphin-Whale Hybrid Species Discovered

2018年7月30日(月)15時45分
リサ・スピアー

群れで泳ぐイルカ(写真はイメージです) Janos-iStock.

<ハワイ沖で昨年偶然見つかったイルカとクジラの中間のような生物は、やはりハイブリッドだった>

科学者たちが2017年8月に米ハワイ州のカウアイ島沖で発見した生き物が、クジラとイルカのハイブリッド(交雑種)だったと判明した。

米非営利団体カスカディア・リサーチ・コレクティブの最新の報告書は、その生物がクジラとイルカの間に生まれたと認めている、と研究チームを率いるロビン・ベアードが米CBSニュースに語った。

研究チームは、ハイブリッドかどうかを調査するためにその生体サンプルを採集し、遺伝子を解析した。ベアードは地元紙ザ・ガーデン・アイランドのインタビューで、「最も珍しい発見だ」と言った。

「手元の写真を見て、クジラとイルカの中間のような外見的特徴から、ハイブリッドではないかと疑っていた」、と彼は言った。

父親はシワハイルカで、母親はカズハゴンドウ(クジラ)と確認できた、と彼はCBSニュースに語った。

上がカズハゴンドウ、下がカズハゴンドウとシワハイルカの子ども


ハイブリッド生物の発見、と聞けば驚くかもしれないが、異種交配の事例はこれまでにもあった。米紙ニューヨーク・タイムズによれば、動物なら10%、植物なら25%が異種交配の結果の可能性がある、と推計する生物学者もいるという。

世界初のハイブリッド例

シマウマと馬を交配させた「ゾース(zorse)」や、アメリカヤギュウと家畜のウシを交配させた「ビーファロー(beefalo)」など、人工的に生まれたハイブリッドの例はいくつかある。だが、自然交配で生まれたハイブリッドは繁殖力が弱く、進化の段階で行き詰まる例が多い。

交配した2つの遺伝子があまりにかけ離れているか、染色体の数が異なる場合、一般的に見て子孫が繁殖を続けるのは不可能だ。

今回のハイブリッドがそれに当てはまるかは不明だ。

カズハゴンドウはハワイ沖をめったに泳がないため、研究者たちは群れの発見に驚き、生体の動きを把握するための衛星タグを取り付けたという。

米海洋大気局(NOAA)によれば、カズハゴンドウの生息数は海域によって様々で、ハワイ沖では約400頭、熱帯東太平洋では4万5000頭と幅がある。

カズハゴンドウクジラが発見されるのは、通常は熱帯の深海だ。社交的で、数百頭から1000頭超の群れで泳ぐことが多い。

シワハイルカも熱帯や温帯の海を泳ぐことで知られている。イルカの仲間で、通常は10~20頭の群れで泳ぐ。

報告書によれば、これら2種によるハイブリッドの発見は世界初だという。

研究者たちは8月に2週間ほど発見地点であるカウアイ島に戻って、さらに調査を続ける計画だ。

<追記>
CBSの追記によれば、カズハゴンドウはイルカの仲間であると同時にクジラの仲間とも分類できる。

(翻訳:河原里香)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

MAGAZINE

特集:弾圧中国の限界

2019-6・25号(6/18発売)

ウイグルから香港、そして台湾へ──強権政治を拡大し続ける共産党の落とし穴

人気ランキング

  • 1

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  • 2

    自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン

  • 3

    「香港は本当にヤバいです」 逃亡犯条例の延期を女神は「予言」していた

  • 4

    石油タンカーが攻撃されても、トランプが反撃しない…

  • 5

    タンカー攻撃、イラン犯行説にドイツも異議あり

  • 6

    アメリカは「いざとなれば瞬時にイランを破壊できる」

  • 7

    嫌韓で強まる対韓強硬論 なぜ文在寅は対日外交を誤…

  • 8

    年金問題「老後に2000万円必要」の不都合な真実

  • 9

    老後資金二千万円問題 「悪いのは誰か」

  • 10

    【南シナ海】中国船による「当て逃げ」にフィリピン…

  • 1

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府に包囲網解除を要求か

  • 2

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 3

    香港大規模デモ、問題の「引き渡し条例」とは何か?

  • 4

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 5

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 6

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  • 7

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 8

    日本の女性を息苦しさから救った米国人料理家、日本…

  • 9

    ISIS戦闘員を虐殺する「死の天使」

  • 10

    日本の重要性を見失った韓国

  • 1

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 2

    台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死

  • 3

    マイナス40度でミニスカ女子大生の脚はこうなった

  • 4

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 5

    プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正…

  • 6

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14…

  • 7

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 8

    トランプ、エリザベス女王にまたマナー違反!

  • 9

    脳腫瘍と思って頭を開けたらサナダムシだった!

  • 10

    アメリカの衛星が捉えた金正恩「深刻な事態」の証拠…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
広告営業部員ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月