最新記事

非核化

北朝鮮、ミサイルエンジン実験施設の解体に着手か=38ノース分析

2018年7月24日(火)08時14分

 7月23日、米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、今月20日に撮影された北朝鮮の衛星画像から、弾道ミサイルのエンジン開発に使われてきた実験場の主要施設の解体が始まったことがうかがえると指摘した。写真は北朝鮮国旗。2014年10月撮影(2018年 ロイター/Denis Balibouse)

米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は23日に公表した報告書で、今月20日に撮影された北朝鮮の衛星画像から、弾道ミサイルのエンジン開発に使われてきた実験場の主要施設の解体が始まったことがうかがえると指摘した。

複数の画像は、北朝鮮の北西部東倉里の「西海衛星発射場」で、ミサイルの組み立てに使う建物やその近くのロケットエンジン試験台の解体作業が進んでいる様子を示しているという。この試験台は弾道ミサイルなどの液体燃料エンジンの開発に使われていた。

報告書は「これらの施設は、北朝鮮の大陸間弾道ミサイルプログラムにおける技術開発で重要な役割を果たしてきたとみられるため、解体の取り組みは北朝鮮にとって信頼構築に向けた重要な手段となる」と指摘した。

6月12日の米朝首脳会談後の記者会見で、トランプ米大統領は、北朝鮮の金委員長が主要なミサイルエンジン実験場をまもなく解体すると約束したと述べた。

トランプ大統領は解体される実験場を明らかにしなかったが、米政府高官はその後ロイターに対し、取り壊されるのは西海衛星発射場だと特定していた。

北朝鮮を巡っては、米朝首脳会談で約束した非核化の取り組みの具体策が示されない中、公約を守る意思があるのか疑念が生じていた。

ある当局者は、韓国大統領府が実験施設の解体について説明を受けたと明らかにした。ただ、詳細には触れていない。

聯合ニュースによると、韓国の国家安全保障担当の高官は「何も行わないよりはいい」と評価し、「北朝鮮は非核化に向け一歩一歩進んでいるようだ」とコメントした。

ソウル株式市場では、北朝鮮に関連する企業の銘柄が上昇した。

38ノースのマネージング・エディター、ジェニー・タウン氏は、西海衛星発射場で進められている作業について、交渉の継続にとって重要な動きだとの見方を示した。

また、韓国国防省はこの日、北朝鮮との軍事境界線に配置している兵力と装備を減らす方針を明らかにした。聯合ニュースが報じた。

[ワシントン 23日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カタールがLNG輸出で「不可抗力宣言」、通常生産再

ワールド

イラン製無人機への防衛で米などが支援要請=ゼレンス

ワールド

イラン、米国へのメッセージ巡るアクシオス報道を否定

ワールド

ホワイトハウス「スペインが米軍との協力に同意」、ス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中