最新記事

事件

イギリスで重体の2人、ロシア元スパイと同じ神経剤ノビチョク検出

2018年7月5日(木)08時36分

 7月4日、英国のテロ対策当局は、南部エイムズベリーで先週末に意識不明の重体で発見された男女2人について、検査の結果、倒れる前に神経剤「ノビチョク」にさらされていたことが分かったと発表した。写真は現場を調べる地元警察(2018年 ロイター/Henry Nicholls)

英国のテロ対策当局は4日、南部エイムズベリーで先週末に意識不明の重体で発見された男女2人について、検査の結果、倒れる前に神経剤「ノビチョク」にさらされていたことが分かったと発表した。

2人はともに40代で、現在も病院で治療を受けている。

エイムズベリーは、今年3月にロシアと英国の二重スパイだったセルゲイ・スクリパリ氏とその娘が「ノビチョク」で襲撃される事件が起きたソールズベリーの北11キロにある。

ノビチョクは1970─80年代に旧ソ連軍が開発した神経剤。

英政府は3月の事件を受け、ロシアを非難したが、ロシアは襲撃への関与を否定している。

テロ対策当局によると、今回の事案の捜査を進めているが、現段階では、今回被害にあった男女がどのように神経剤に接触したのか、2人が標的とされていたかどうかについては不明だという。

警察は3日、2人が未確認の物質にさらされた可能性があるとし、「重大な事案」として扱うと明らかにしていた。

公衆衛生当局は4日、ノビチョクによる新たな被害が報告されたことで、神経剤が現場近くにまだ残っているとの不安は強まるかもしれないが、国民に対するリスクは依然低いとの見方を示した。

今回の事案を受け、英政府は緊急対応委員会を招集。委員会を率いるジャビッド内相は、新たな事案について、3月のスクリパリ父子の毒殺未遂に続く襲撃というよりも、偶然に起きたものと現状では考えていると語った。



[エイムズベリー(英国) 4日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241008issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年10月8日号(10月1日発売)は「大谷の偉業」特集。【保存版】ドジャース地区Vと初の「50-50」を達成。アメリカは大谷翔平をどう見たか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中朝首脳、国交樹立75年で祝電 関係強化を表明

ワールド

仏大統領、ガザで使用の武器禁輸呼びかけ イスラエル

ワールド

世界各地で反戦デモ、10月7日控え ガザ・中東戦闘

ビジネス

中国住宅販売、国慶節連休中に増加 景気刺激策受け=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」の中国が世界から見捨てられる
  • 2
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 3
    米軍がウクライナに供与する滑空爆弾「JSOW」はロシア製よりはるかにスマート
  • 4
    野原の至る所で黒煙...撃退された「大隊規模」のロシ…
  • 5
    羽生結弦がいま「能登に伝えたい」思い...被災地支援…
  • 6
    新NISAで人気「オルカン」の、実は高いリスク。投資…
  • 7
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 8
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 9
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシ…
  • 10
    職場のあなたは、ここまで監視されている...収集され…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 3
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 4
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 5
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシ…
  • 6
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 7
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平…
  • 8
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 9
    NewJeansミンジが涙目 夢をかなえた彼女を待ってい…
  • 10
    米軍がウクライナに供与する滑空爆弾「JSOW」はロシ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 8
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 9
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 10
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中