最新記事

非核化

トランプ大統領「北朝鮮で完全な非核化開始」、当局者は確認できず

2018年6月22日(金)13時39分

 6月21日、トランプ米大統領は、北朝鮮が兵器実験施設を爆破していると語った(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は21日、ホワイトハウスでの閣議で、北朝鮮が兵器用の大規模な実験施設4カ所を爆破し、「完全な非核化がすでに始まった」との認識を示した。

ただ、当局者によると、6月12日の米朝首脳会談以降で、実験場の解体に向けた新たな動きを示す証拠は確認できていない。

大統領は閣議で「(北朝鮮は)弾道ミサイルを含めたミサイルの発射を中止した。エンジン施設を破壊し、爆破している。実際には大規模な実験施設4カ所をすでに爆破した」と語った。

大統領が北朝鮮のどの実験施設に言及したかは不明。だが、北朝鮮の核・ミサイル実験場に関する最新情報に詳しい複数の米当局者は、米朝首脳会談以降で、実験場の解体に向けた新たな動きを示す証拠はないとしている。

これらの当局者が匿名を条件に語ったところでは、トランプ大統領は、北朝鮮が5月に行った豊渓里(プンゲリ)核実験場の坑道爆破や、同じく5月に行われたIha-ri実験場の中距離弾道ミサイル発射台の解体を指している可能性がある。

マティス米国防長官は20日、北朝鮮が米朝首脳会談以降、非核化に向けた何らかの行動を取ったかと記者に問われると、「把握していない」と回答。「非核化に向けた手続きはごく初期段階にあり、具体的な協議は始まっていない」と述べた。

21日の閣議でマティス長官はトランプ大統領の隣に座っていた。

国防総省とホワイトハウスは大統領の閣議での発言に関するコメントの求めに応じていない。

ワシントンを拠点とする北朝鮮分析サイト「38ノース」は先週末のリポートで、北朝鮮がミサイル実験場の解体に向けて動いている兆しはないと分析していた。

国務省は、12日の米朝首脳会談以降に北朝鮮当局者と連絡を取っていることを明らかにした。同省のナウアート報道官は、ポンペオ国務長官が「できるだけ早期に北朝鮮当局者と会談し、協議する」と述べたが、詳細には踏み込まなかった。

大統領はまた、朝鮮戦争で死亡した米兵200人の遺骨返還に向けたプロセスが進んでいると閣議で発言。前日には、遺骨は返還されたと語っていた。

米当局者2人は、北朝鮮が向こう数日中に遺骨を返還する見込みだが、まだ返っていないと説明した。

米軍のデータによると、朝鮮戦争で約7700人の米兵が依然行方不明となっている。この戦争で米兵3万6500人以上が死亡した。

*内容を追加しました。

[ワシントン 21日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:中国がバングラとの関係強化、インドの影響

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック反落、軟調な経済指

ワールド

米、イラン産原油積載タンカー拿捕を検討 圧力強化へ

ビジネス

米フォード、第4四半期は111億ドルの最終赤字 E
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    台湾侵攻を控えるにもかかわらず軍幹部を粛清...世界…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中