最新記事

核廃棄

北朝鮮、韓国への強硬姿勢に変化? 核実験場の廃棄作業、韓国メディア取材を許可へ

2018年5月23日(水)11時08分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)核実験場。2017年4月撮影。提供写真(2018年 ロイター/Airbus Defense & Space and 38 North)

<北朝鮮が豊渓里(プンゲリ)核実験場の廃棄作業を取材する韓国側記者団の名簿を受け付けていなかった問題は、23日朝に一転して受理された>

核実験場の韓国側取材団のNEWS1などが伝えるところでは、韓国統一部は23日、「政府は今日、板門店の連絡チャンネルを通じて、北朝鮮の豊渓里核実験場の廃棄現場を訪問して取材する韓国側2社8名のマスコミ(MBC、ニュース1)記者のリストを北朝鮮側に通知し、北朝鮮側はこれを受けた」と発表した。

統一部は「政府は、記者団に対する訪朝承認および輸送支援など必要な措置を速やかに取っていく計画」と明らかにした。

北朝鮮による豊渓里核実験場の廃棄作業公開は、前日、欧米メディアなどが中国・北京から北朝鮮へ高麗航空のチャーター機を通じて渡航したが、韓国については北朝鮮が取材団名簿の受付を拒否していた。このため韓国メディアは、米国、中国、英国、ロシアの取材陣が北朝鮮へ向かって旅立つ姿をレポートして、自らは帰国するという苦渋を飲まされていた。

しかし、北朝鮮が23日になって韓国側の記者団の名簿を受け付けたため、韓国政府は、韓国からの直航便を通じて北朝鮮・元山に12時半に出発する特別チャーター機を用意、取材陣を輸送する。


これで北朝鮮側が事前に発表していた海外メディアはすべて核実験場の廃棄作業を取材できることになった。ただし、ただし、国際原子力機関(IAEA)や、世界の核実験を監視する核実験全面禁止条約機関(CTBTO)など専門機関は招待されていないことから、あくまで北朝鮮に都合のいい「政治ショー」になる可能性も指摘されている。


北朝鮮は韓国メディア取材団の名簿を受付した。 YTN News / YouTube

ニューズウィーク日本版 日本人と参政党
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月21日号(10月15日発売)は「日本人と参政党」特集。怒れる日本が生んだ参政党現象の源泉にルポで迫る。[PLUS]神谷宗弊インタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日本の経済成長率予測を上げ、段階的な日銀利上げ見込

ビジネス

今年のユーロ圏成長率予想、1.2%に上方修正 財政

ビジネス

IMF、25年の英成長見通し上方修正、インフレ予測

ビジネス

IMF、25年の世界経済見通し上方修正 米中摩擦再
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃をめぐる大論争に発展
  • 4
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 8
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 9
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 10
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中