最新記事

セックス

ミレニアル世代が初体験を先延ばしにしたがる理由

2018年5月7日(月)17時38分
ベンジャミン・フィアナウ

彼らがなかなかセックスに及ぼうとしないのはテクノロジーのせい? gustavofrazao-iStock

<イギリスの調査で26歳になっても8人に1人は未経験。行きずりの関係さえ持たない理由とは>

今どきの若者は、上の世代に比べて一貫してセックスに「奥手」──イギリスで行われた調査でそんな傾向が明らかになった。理由は1980~2000年頃に生まれたミレニアル世代の「深い関係への恐怖心」にあるかもしれない。

ロンドン大学ユニバーシティーカレッジ(UCL)のプロジェクト「ネクスト・ステップス」では、ミレニアル世代に属する1989~90年生まれの若者1万6000人以上を対象に、彼らが14歳の時から継続して調査を行っている。この調査によれば、彼らは上の世代と比べ、なかなかセックスに及ぼうとしない。16年に行われた聞き取り調査では、当時26歳の調査対象者たちの8人に1人がセックスの経験がないと答えたという。

専門家の中には、これをソーシャルメディアや生活のすみずみまで浸透したインターネットやハイテク機器の影響や道徳観の問題というより、性に関する情報やポルノが社会にあふれているせいではないかと考える人々もいる。

「ミレニアル世代は性に積極的すぎる文化の中で育ってきたが、そうした文化は(逆に)深い関係への恐怖心を育てる」と、心理療法士のスザンナ・アブジはサンデー・タイムズ紙の取材に答えて語っている。「女性は美しいしまった体で常にやる気、男もいつもびんびんという(前提の)文化だ。これは若い人たちにとってはきつい」

体だけの関係よりメッセージだけの関係

アブジはこうも言う。「そうしたイメージに自分を合わせられないせいで恥をかくのでは、と若い男性は恐れている。また、フェイスブックの仲間たちにそれがバレてしまうのも怖いのだ」

13年にUCLが行った別の調査でも、今回の調査と似た結果が出ている。この調査によれば16~44歳の1カ月あたりの性行為の平均回数は男性で4.9回、女性では4.8回だったが、10年前にはそれぞれ6.2回と6.3回だったという。回数が減った理由については、IT機器との「深い関係」や、他人と深い関係になることへの恐怖までさまざまな仮説が立てられている。

作家のテディ・ウェインはかつてニューヨーク・タイムズ紙にこう書いた。「テクノロジーを好み、(人間関係への)深入りを恐れるミレニアル世代の間では体の関係に及び腰になる人が増えている。その代わりにバーチャルな擬似的関係を選び、電話やコンピューター経由でたわむれあう。体だけの関係よりもメッセージだけの関係というわけだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

シティバンク、UAE支店を一時閉鎖 中東情勢受け

ワールド

英当局、子どものSNS利用禁止に実効性持たせる対応

ワールド

香港当局、国泰君安など3社捜査 インサイダー取引で

ワールド

韓国国会、対米3500億ドル投資法案承認 造船など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中