最新記事

米中関係

中国、貿易戦争回避へ トランプ政権に対米貿易黒字2000億ドル削減案を提示

2018年5月18日(金)12時21分

 5月17日、中国は、米国の対中貿易赤字の最大年2000億ドル削減に向けて、通商面での譲歩や米国製品の購入拡大を含む一連のパッケージを提案した。写真はトランプ米大統領。ワシントンで3月撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

中国は、米国の対中貿易赤字の最大年2000億ドル削減に向けて、通商面での譲歩や米国製品の購入拡大を含む一連のパッケージを提案した。

事情に詳しい複数の米当局者が明らかにした。

貿易摩擦の解消を目指してワシントンで17日に始まった両国の協議で提案が行われたという。ただ、削減額がどのように決定されたかは現時点で不明。

当局者の1人は、米航空機大手ボーイングが中国による提案で大きな恩恵を受けることになると語った。ボーイングは米国最大の輸出業者で、既に商用機の約4分の1を中国に輸出している。

別の当局者はパッケージについて、果物やナッツ類、豚肉、ワイン、ソルガムなど約40億ドル相当の米農産物に現在課せられている関税を中国が一部撤廃することが盛り込まれている可能性があると述べた。

ホワイトハウスは声明で、今回の会合は「継続中の通商協議」の一環と説明。トランプ米大統領は、劉鶴副首相が代表を務める中国交渉団と、ムニューシン米財務長官が率いる米側代表団と面会したという。

ホワイトハウスは「米当局者は、中国との公平な通商関係を目指すとしているトランプ米大統領の明確なゴールを伝えた」としている。

米国の対中貿易赤字(モノの貿易)は昨年は3750億ドル。赤字額を持続的に2000億ドル削減するためには、両国間の貿易の内容が大幅に変わる必要がある。米国の対中貿易で昨年、最大の輸出品目は航空機(160億ドル)、2番目が大豆(120億ドル)となっている。

*内容を追加しました。



[ワシントン 17日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中