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「俺様野郎」ズラタンがアメリカ征服宣言

2018年4月18日(水)17時00分
エリック・ベッツ

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マンU時代(写真)をはじめ数々のクラブで活躍したイブラヒモビッチ Andrew Yates-REUTERS

ズラタンという人格のイメージと、選手としてのイブラヒモビッチは、分けて考える必要がある。かつてスウェーデンでテニスのビヨン・ボルグに次いで史上2番目に偉大なスポーツ選手に選ばれたとき、ズラタンは「2位も最下位も同じようなものだ」と反発した。

自分で選手を選んで理想のチームをつくるとしたら、と問われたときには、1人目から5人目まで自分を選ぶと答えた。あるインタビューでは妻に誕生日のプレゼントは何も贈らないと語り、「彼女にはもうズラタンがいる」とうそぶいた。17年3月にはスペイン国王と一緒に撮った写真をインスタグラムに投稿、「王は王を知る」というキャプションを付けた。

ズラタンの人格は現実離れしているが、それが通用するのは選手としてのイブラヒモビッチがイメージにふさわしいパフォーマンスを見せてきたからだ。ピッチ上のプレーも日頃の言動と同じぐらい大胆不敵で娯楽性たっぷり。両者の間に絶妙のバランスが取れている。

選手のイブラヒモビッチが豪快かつエレガントなゴールを量産し続ける限り、ズラタンという人格は自分をライオンや王、神と比較することができる。

だが、イブラヒモビッチも36歳。これまでで最も深刻なけがから復帰したばかりだ。MLSのレベルも、ベッカムの移籍当時とは違う。若い南米出身のスター選手を中心にエキサイティングなプレーを繰り広げる現在のリーグは、老いたスターには荷が重いかもしれない。

それでもMLSはテレビの視聴率アップと、今より条件のいいテレビ局との契約を必要としている。そしてビッグネームの獲得には、より多くの視聴者を引き付ける効果が期待できる。

デビュー戦で2ゴール

だが、これでMLSも遅かれ早かれ「ズラタンの怒り」の洗礼を受けることになる。イブラヒモビッチはけんか上等のスタイル。自分が格下と思う選手(つまり、ほぼ全員)の挑発には「実力行使」も辞さない。昨シーズンも、ボーンマスのタイロン・ミングスに肘打ちをかまして3試合の出場停止になった。

本人も周囲に迷惑をかけている自覚があるのか、スウェーデン代表を引退後、「自分がいないことでチームのプレッシャーが軽くなるだろう」と発言したことがある(最近になって代表復帰に意欲を見せたが、監督は起用に乗り気ではない)。

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