最新記事

資源開発

日韓企業、バッテリー用資源獲得で中国追撃 カギは南米「リチウムトライアングル」

2018年4月10日(火)11時00分

3月6日、南米のボリビア、チリ、アルゼンチンの3カ国は、バッテリーの重要部品であるリチウムを最も安価に生産できる地域だ。写真はチリのリチウム鉱山の処理施設。2013年1月撮影(2018年 ロイター/Ivan Alvarado)

南米のボリビア、チリ、アルゼンチンの3カ国は、バッテリーの重要部品であるリチウムを最も安価に生産できる地域だ。ただ、世界の他の地域で資源獲得を進める中国を追う日本や韓国企業が、この「リチウムトライアングル」に食い込んでいくためには政治的な障害を乗り越える多額の投資が必要になる。

世界のリチウム資源のおよそ3分の2を抱えるこれら3カ国では、中国ですら権益獲得を阻まれてきた。だからこそ専門家によると、日韓の自動車やバッテリーのメーカーがキャッチアップできる可能性があるという。

獲得競争は政治的な障壁をどうすり抜けるかにかかっている。しかし足元では、パナソニック<6752.T>やサムスンなど長期供給契約に力を入れる日韓企業は、他の地域で鉱山を買収するなど積極姿勢を取ってきた中国勢との差がますます開く事態を目の当たりにしている。

日韓企業はリチウム資源調達の面でこれまで主に南米に依存し、この地域の生産者と長期にわたる関係を築いてきた。

チリのリチウム開発会社ウェルスミネラルズのヘンク・バンアルフェン最高経営責任者(CEO)は、日韓の企業が南米で「確かに供給源を探している」と話す。日韓企業は、トヨタ自動車<7203.T>が投資しているアルゼンチンのプロジェクトを含む、南米でのリチウム鉱山開発の支援にも踏み込んでいる。

「金属の安定的な確保が最近の関心事だ」。LG化学<051910.KS>のパク・スジンCEOは先月、韓国で記者団に語った。「金属企業との協力や合弁など検討するかもしれない。今後数年で多くの計画を立てることになる」。韓国政府当局者は「ポスコやサムスンSDI<006400.KS>といった民間企業への支援に焦点を当てている」と話す。

パナソニックの広報担当者は「原材料の直接調達や調達先の多様化といった手法で、バッテリーの材料を安定的に確保するよう努めている」と述べた。対象地域のコメントは避けた。日本企業の一行は2月、アルゼンチンのリチウム資源が豊富な地域を訪れた。

ニュース速報

ビジネス

武田薬、製薬シャイアーに買収打診 1株約46.50

ワールド

焦点:新日米通商交渉、国内に2国間へ強い懸念 米T

ワールド

北朝鮮、「完全な非核化」への意思示す=韓国大統領

ワールド

財務省のセクハラ問題、調査方法の撤回求めて弁護士が

MAGAZINE

特集:技能実習生残酷物語

2018-4・24号(4/17発売)

アジアの若者に技術を伝え、労働力不足を解消する制度がなぜ「ブラック現場」を生むようになったのか

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた53歳上の女性とは

  • 2

    こんなエコノミーは嫌だ! 合理的すぎる座席で、機内はまるで満員電車?

  • 3

    金正恩は「裏切り」にあったか......脱北者をめぐる中国の態度に異変

  • 4

    何これ本物!?サッカーの試合でボールを審判に渡す…

  • 5

    ジェット旅客機の死亡事故ゼロ:空の旅を安全にした…

  • 6

    4年前に死んだ夫婦に赤ちゃん誕生! 中国人の祖父母…

  • 7

    「セックスしている子もいるけど私はしたくない」 …

  • 8

    怖くて痛い虫歯治療に代わる、新たな治療法が開発さ…

  • 9

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 10

    死んだ息子の精子で孫を......イスラエルで増える遺…

  • 1

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 2

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた53歳上の女性とは

  • 3

    こんなエコノミーは嫌だ! 合理的すぎる座席で、機内はまるで満員電車?

  • 4

    アメリカの2度目のシリア攻撃は大規模になる

  • 5

    フェイスブックはなぜ全米を激怒させたのか

  • 6

    北朝鮮「公開処刑」も暴く衛星画像分析から韓国が手…

  • 7

    韓国で隣家のコーギー犬を飼い主に食べさせようとし…

  • 8

    4年前に死んだ夫婦に赤ちゃん誕生! 中国人の祖父母…

  • 9

    おどろおどろしい溶岩の世界!?木星の北極の正体が…

  • 10

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 1

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 2

    ユーチューブ銃撃事件の犯人の奇妙な素顔 「ビーガン、ボディビルダー、動物の権利活動家」 

  • 3

    「金正恩を倒せ!」落書き事件続発に北朝鮮が大慌て

  • 4

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 5

    金正恩が習近平の前で大人しくなった...「必死のメモ…

  • 6

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた5…

  • 7

    ヒトの器官で最大の器官が新たに発見される

  • 8

    「パスタは食べても太らない」──カナダ研究

  • 9

    2度見するしかない ハマってしまった動物たちの異様…

  • 10

    金正恩がトランプに懇願か「あの話だけはしないで欲…

日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

SPECIAL ISSUE 丸ごと1冊 プーチン

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月