自動運転車、相次ぐ死亡事故で露見した問題 技術も人もよちよち状態
一方、人のドライバーに重点を置く団体もある。昨年11月、「コンシューマー・リポート」誌は、自動車メーカーに対し、自社の自動運転機能について「消費者が完全に理解することを助けるため」責任ある表示説明を求めた。
同誌で自動車試験を担当する責任者ジェイク・フィッシャー氏は、ドライバーについて、「オートメーションに注意を払うのが苦手。この技術はあらゆるタイプの緊急事態に対応することはできない」と指摘。
「よちよち歩きの子どもが運転している車に乗っている乗客のようだ」と同氏は語った。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)は、テスラやボルボ、ジャガー・ランドローバーやゼネラル・モーターズ(GM)のモデルを含む半自動運転機能を備えた車両を使って試験走行を行っている。その目的は、ドライバーがどのように同機能を使っているのか、また、どのような警告が注意を引くのかについて調べることだ。中には、自動運転中にハンドルから手を離して運転する人もいる。
「ドライバーがこうしたシステムを実際にどのように使っているのか、まだ十分に分かっていない」とMITの研究者ブライアン・ライマー氏は話す。
また、自動運転システムの専門家で米ノートルダム大学の教授であるティモシー・カローヌ氏は、自動運転技術の支持者は、同技術の開発を妨げたり止めたりすることなく、適切に試すことができるバランスを見いださなくてはならないと指摘。
「長期的に見れば、命を救うことになるからだ」と同氏は語った。
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)