最新記事

人権問題

マララ「最高に嬉しい」 銃撃後6年ぶりにパキスタンへ帰国

2018年4月3日(火)09時47分

2012年10月、覆面の男がマララさんの通学バスに乗り込み、彼女を特定すると、銃で撃った。タリバンは後に、リベラル主義を広めようとしたため襲撃したとの声明を出した。

治療のため英国に移されたマララさんは、それ以後国外に留まり、ベストセラーになった共著「わたしはマララ」を執筆したり、世界で女子教育の推進活動を支援する基金を立ち上げたりしている。

2014年、インドの活動家とともに、マララさんはノーベル平和賞を受賞した。

パキスタンでは称賛と批判

マララさんは、世界で最も名前の知られたパキスタン人かもしれないが、祖国では多くの人に愛される一方で、批判も浴びるなど、評価が分かれている。

パキスタンの一部の私立学校グループは、30日を「わたしはマララではない」の日にすると宣言。広報担当者は、マララさんが抱く「反イスラム、反パキスタンの考え方」に対するものだと説明した。

こうした反応に、マララさんは困惑の様子だ。

「私の発言のどの辺が、反パキスタンや反イスラムになるのか、分からない。イスラム教は私に、平和の大切さを教えてくれた。教育の大切さを教えてくれた。イスラム教の聖典コーランの最初の言葉は、イクラという言葉で、読みなさい、という意味だ」

29日に行われたアバシ首相との会談の議題は、政府が公約に掲げる教育だった。パキスタン政府と軍は、今回のマララさんの一時帰国の計画を支援し、警備を提供した。

「われわれは教育について話した。アバシ首相のこれまでの取り組みに感謝しているが、まだやらなければいけないことが沢山ある。政府は国内総生産(GDP)の4%を教育に充てるとしているが、まだ2.7%までしか増えていない」と、マララさんは話した。

パキスタン首相や、各国指導者との面会は、スワト渓谷の女子学生から見れば遠く離れた世界の出来事かもしれない。だがマララさんは、オックスフォード大で学ぶことなどは、長年の夢だったと言う。

「私が最初考えていたのは、勉強を続け、学校に行けない女の子たちのために声を上げ続け、高校を卒業したらいつかオックスフォードに出願しようと思っていた」と、彼女は振り返った。

「だから、最初から考えていたことだ。ただ、あの襲撃が起きて英国に移ることになるとは分からなかった。それでも私はパキスタンを見続け、女子教育のためにできるこをすべて続けていきたいと思う」

ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請件数は横ばいの21.3万件、労働

ワールド

イラク海域のタンカーで小規模爆発、イランが遠隔操作

ワールド

情報BOX:米・イスラエルのイラン攻撃後の中東にお

ワールド

米ウクライナ、3者協議延期・開催地変更を検討=ゼレ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「え、履いてない?」モルディブ行きの飛行機で撮影…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中