最新記事

セレブ

獄中で首を吊ったアーロン・ヘルナンデスはゲイだった?

2018年3月20日(火)16時54分
ジャニス・ウィリアムス

2012年1月、スーパーボウルを数日後に控えたヘルナンデス Brent Smith-REUTERS

<わずか27年の一生の間に天国と地獄の両方を激しく行き来したNFLプレーヤーについて、新説が明かされた>

2017年4月に獄中で自殺した全米プロフットボールリーグ(NFL)「ニューイングランド・ペイトリオッツ」の元スター選手アーロン・ヘルナンデス(享年27歳)に関するドキュメンタリー番組が放送された。それによれば、殺人罪で終身刑に服していたヘルナンデスは、ある秘密を抱えていたようだ。

【参考記事】首を吊った元NFLスター、アーロン・ヘルナンデスは精神変容ドラッグ「スパイス」に侵されていた?

3月17日と18日の2回にわたって放送されたドキュメンタリー番組「Aaron Hernandez Uncovered(アーロン・ヘルナンデスの真実)」には、ヘルナンデスと生前親しかった人が多く出演し、彼が同性愛者であったことを明らかにしたほか、自らの性的指向についての苦しみが、暴力の原因だったかもしれないと述べた。

ヘルナンデスの元恋人アリッサ・アンダーソンは番組内で、2人がともにフロリダ大学の学生だったころを振り返り、ヘルナンデスが男性と関係を持っているという噂を耳にしたことがあると語った。アンダーソンによれば、ヘルナンデスはそれを何度も否定したという。しかし、殺人事件の公判の最中である2013年に、アンダーソンが手紙で連絡した際、ヘルナンデスは幼いころの恐ろしい体験の詳細を明らかにした。

「最初の殺人の裁判が終盤に差しかかり、次の殺人(のちに無罪)の裁判が近づいてくると、手紙の内容は激しさを増した」とアンダーソンは言う。「彼は、幼いころに体験したつらい出来事を打ち明けるようになった。子どものときに性的ないたずらをされたことを認めたが、治療などは行わなかった」。そうした経験が「彼の性的指向の悩みにつながったと思う」と、アンダーソンは語った。

計り知れない苦しみ

ヘルナンデスの弁護団の一員で、同性愛者であることを公表しているジョージ・リオンタイアも、ヘルナンデスと交わした個人的な会話について振り返った。ヘルナンデスの性的指向についてもたくさん話し合ったという。「彼は確かに同性愛者だった」とレオンタイアは言う。「彼はそれを認めていた。計り知れないほどの苦みだったと言っていた」

ヘルナンデスは同性愛者に対してひどく否定的な環境で育ったせいで、自己嫌悪にも苦しんでいたのだと思う、とリオンタイアは言う。

ヘルナンデスは、2015年4月にオーディン・ロイドを殺害した罪で終身刑を言い渡されたが、それ以前にシャイアナ・ジェンキンスと婚約していた(ヘルナンデスとジェンキンスの間には、アビエル・ジャネルという娘がいる)。

ヘルナンデスが2017年4月に独房の窓にシーツをひっかけて首をつって死んでいるのが発見された後で、ジェンキンスは米トークショー「ドクター・フィル」に出演した。そのとき彼女は、「同性愛者だというのは本当なのか」とヘルナンデスに尋ねたが、彼は「違う」と答えたと言っていた。

ジェンキンスは今回のドキュメンタリー番組内で、ヘルナンデスの本当の性的指向については、いまだに「困惑を覚えている」と発言している。

(翻訳:ガリレオ)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

モルガンSが北海ブレント価格予想引き上げ、OPEC

ビジネス

スターバックス、中国事業経営権を博裕資本に売却へ 

ワールド

ペルー、メキシコとの国交断絶表明 元首相の亡命手続

ワールド

中国、日本など45カ国のビザ免除措置を来年末まで延
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中