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米中関係中国、米国が貿易戦争するなら「必要な対応」 王毅外相が警告
3月8日、中国の王毅外相は、米国と貿易戦争になった場合は必要な対応をとると表明した。写真は全国人民代表大会の合間を縫って行われた記者会見に出席する同外相。北京で撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)
中国の王毅外相は8日、米国と貿易戦争になった場合は必要な対応をとると表明した。一方、貿易戦争はすべての国にとってマイナスとの見方も示した。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の合間に述べた。
外相は、中国は米国に取って代わろうという意図はないと強調。両国はライバルになる必要はなく、パートナーになるべきだと語った。
外相は、歴史的に見て貿易戦争は正しい問題解決方法ではないと述べた。「特に現在のグローバル化を踏まえ、貿易戦争を選択することは誤った対処法だ」とし、マイナスの結果しかもたらさないと指摘。「中国は正当で必要とされる対応をしなければならない」と表明した。
トランプ大統領は前週、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税を課す方針を表明。ただホワイトハウスは、カナダ、メキシコ、他の一部の国について、国家安全保障の観点から30日間にわたり関税の適用を除外する可能性があるとしている。
中国への影響限定的
エコノミストは、米政府が実際に輸入制限に踏み切ったとしても、中国への影響は目先はさほど大きくはないとの見方を示している。
キャピタル・エコノミクスは、中国から米国への鉄鋼・アルミニウム輸出は反ダンピング措置により既に抑制されている、と指摘。中国の国内総生産(GDP)に占める比率は0.1%にも満たないという。
7日付顧客向けリポートで「理論上は、中国は貿易戦争でより多くを失う。中国の対米輸出は輸入よりもはるかに大きい。ただ、米国が中国から輸入する主要品目の代替になるものは限られる」と分析した。
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