最新記事

中国政治

ニュースが分かる! 3分で知る今年の中国全人代

2018年3月7日(水)09時40分

約3000人が出席する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が、北京の人民大会堂で3月5日から約2週間の日程で始まる。写真は5日、全人代の開幕式に出席する習近平氏(2018年 ロイター/Damir Sagolj)

約3000人が出席する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が、北京の人民大会堂で5日から約2週間の日程で始まる。

今回の全人代で注目される議題やこの会議の役割をまとめた。

●全人代の議題

最大の議題は、2期限定とされる国家主席の任期を撤廃する憲法改正案だ。実現すれば、習近平国家主席は、事実上無期限に権力の地位に留まることが可能になる。

昨秋の党大会で党規約に盛り込まれた習氏の政治思想「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を憲法に明記する改正案も審議されるほか、新たに設立される汚職取り締まり独立機関「国家監察委員会」に憲法上の根拠を与える文言修正も議題に含まれる。

今年審議される唯一の法案は、同委員会の設置根拠となる「監察法」の制定だ。

政府の主要ポストの大幅な人事刷新も行われ、複数の副首相や、新たな閣僚、中国人民銀行(中央銀行)総裁などが決まるほか、政府省庁の再編も行われる見通しだが、詳細は明らかになっていない。

最も注目されているのが、国家副主席の人事だ。

習氏の盟友で、昨年まで党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の委員として腐敗撲滅の陣頭指揮にあたった王岐山氏が、国家副主席に就くとの見方が大勢だ。王氏は、対米関係のかじ取りを任されると見られている。

習氏の最高経済顧問を務める劉鶴氏は、経済財政担当の副首相に就くと予想されている。劉氏は、次期人民銀行総裁の有力候補にも名前が挙がっている。

李克強首相は5日、全人代の開幕にあたり、18年の国内総生産(GDP)伸び率の目標を昨年と同じ6.5%前後に据え置いたことを明らかにした。

中国経済は昨年、6・9%成長し、2010年以降で初めて成長が加速した。

また全人代は開幕に合わせて予算報告を発表し、2018年の国防費は前年比8.1%増の1兆1100億元(18兆5000億円)を計上すると明らかにした。昨年の全人代では当初、予算額が公表されず、透明性を懸念する声が上がった。

全人代は、毎年恒例の首相記者会見をもって閉幕する。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始へ

ワールド

ウクライナ南部に夜間攻撃、数万人が電力・暖房なしの

ビジネス

中国の主要国有銀、元上昇を緩やかにするためドル買い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中