最新記事

台湾侵攻

台湾侵攻の準備?中国軍機が台湾で執拗な周回飛行 

2017年12月20日(水)18時30分
クリスティーナ・チャオ

中国の空母「遼寧」から飛び立つJ-15戦闘機(南シナ海) Mo Xiaoliang-REUTERS

<朝鮮半島の緊張を後目に、中国軍機が頻繁に台湾上空を飛ぶようになった。以前のような単なる威嚇ではなく、まるで最新の軍事情報を集めるような飛び方だ>

軍事専門家によれば、中国が最近、台湾の周囲を回る「周回飛行」を増やしているのは台湾侵攻の準備かもしれない。

10月には、新たに公開された軍事関連の内部文書により、中国軍が2020年までに台湾に侵攻する極秘計画を練っていることが明らかになったと、ニュースサイトの「ワシントン・フリー・ビーコン」が報じている。

その計画はすでに動き出しているようだ。1週間ほど前、中国空軍は戦闘機、爆撃機、偵察機を台湾領空へ送り出し、周回飛行を行った。さらに12月17日には、H-6K爆撃機がSu-30戦闘機2機を伴い、台湾周辺を飛行する様子を収めた動画を人民解放軍が公開した。

「最近の周回飛行はきわめて異例だ」。マカオの軍事専門家アントニー・ウォン・ドンは12月19日、サウスチャイナ・モーニングポストに語った。「中国空軍はきわめて実践的かつ綿密に計画された周回飛行を実施し、最新の軍事情報を収集している」

従来の海軍や空軍のパトロールは型どおりのシンボリックなものが主だったが、いまや中国は「新旧の偵察機や戦闘機も配備している......これは、人民解放軍が台湾との戦争の備えを強化していることを示唆している」と、ウォンは指摘する。

アメリカとも戦う覚悟

台湾国防部(国防省)も18日、長距離を飛行する人民解放軍のYun-8輸送機2機を確認したと述べている。Yun-8は公式には輸送機とされているが、中国の所有する機のなかには、情報収集のための機器を備えているものもある。人民解放軍は11月にも、中国空軍最大の偵察機であるTu-154を台湾周辺で飛行させた。

中国は、台湾を中国の一部とする見方を変えておらず、武力制圧の正当性を疑ったこともない。台湾は、米国の武器を中心に充分な軍備を整えているが、対中防衛策として、より高度な武器を米国から購入することを検討している。

台湾との戦いは、アメリカとの戦いでもある。北京の海軍専門家リー・ジエはサウスチャイナ・モーニングポストにこう語った。「人民解放軍の最終的な敵はアメリカと日本だ。アメリカは、中台問題の背後で重要な役割を演じている」

台湾は、中国が太平洋に出るルートの真ん中に位置しており、その獲得は中国にとって戦略的にも大きな意味を持つ。

(翻訳:ガリレオ)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

ニュース速報

ワールド

ボリビア大統領辞任、ベネズエラなどに強いシグナル=

ビジネス

英保守党、選挙勝利なら即座に中銀新総裁を指名へ─財

ビジネス

効果的経済対策取りまとめたい、ワイズスペンディング

ワールド

ウクライナ疑惑、米下院が新たな証言記録を公開

MAGAZINE

特集:世界を操る政策集団 シンクタンク大研究

2019-11・19号(11/12発売)

政治・経済を動かすブレーンか「頭でっかちのお飾り」か、民間政策集団の機能と実力を徹底検証

人気ランキング

  • 1

    ヤクルトが韓国で最も成功した日本ブランドになった理由

  • 2

    香港の若者が一歩も退かない本当の理由

  • 3

    自殺大国の韓国で生前葬が大人気、2万5000人以上が「死」を体験

  • 4

    日本アニメはネットフリックスを救えるか?

  • 5

    それでも僕らがトランプを支持する理由

  • 6

    200万年前の氷が採取されて2年、地球の気候変動に関…

  • 7

    国連制裁決議にも従わず......北朝鮮とウガンダのデ…

  • 8

    英国「連合王国」は10年後に存在せず!? 世論調査で…

  • 9

    「赤い州」に誕生する民主党知事、「異変」が起きて…

  • 10

    香港デモ、警官発砲で1人重体か 全土に混乱広がる

  • 1

    「アメリカは韓国の味方をしない」日韓対立で米高官が圧迫

  • 2

    日朝戦争なら韓国は北朝鮮の味方、日本はいつの間にか四面楚歌?

  • 3

    韓国通貨危機の裏側を赤裸々に暴く 『国家が破産する日』

  • 4

    母親に育児放棄されたチーターが、犬の「代理きょう…

  • 5

    200万年前の氷が採取されて2年、地球の気候変動に関…

  • 6

    文在寅政権の「自滅」を引き寄せる大統領側近らの忖度

  • 7

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 8

    ストレス耐性は就学前に決まる? 産業医が見た「スト…

  • 9

    10兆円規模の資本金を2年で使い果たしたソフトバンク…

  • 10

    北朝鮮、安倍晋三を「愚かで性悪」と罵倒 外交でも…

  • 1

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわかっていない

  • 2

    マクドナルドのハロウィン飾りに私刑のモチーフ?

  • 3

    「アメリカは韓国の味方をしない」日韓対立で米高官が圧迫

  • 4

    意識がある? 培養された「ミニ脳」はすでに倫理の…

  • 5

    インドネシア、巨大ヘビから妻救出した夫、ブタ丸呑み…

  • 6

    「武蔵小杉ざまあ」「ホームレス受け入れ拒否」に見る深…

  • 7

    中国人女性と日本人の初老男性はホテルの客室階に消…

  • 8

    ラグビー場に旭日旗はいらない

  • 9

    性行為を拒絶すると立ち退きも、家主ら告発

  • 10

    アメリカが韓国に「最後通牒」......日本との安保対…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月