最新記事

ビジネス

合法化拡大で成長の大麻ビジネス 膨らむ商機に転身するITエリートたち

2017年12月12日(火)13時49分


法的リスクと課題

米国では30州が娯楽用または医療用にマリフアナの使用を合法化しているが、連邦法は依然として所有・販売を禁止している。

マリフアナを巡り、トランプ政権は曖昧な姿勢を見せている。セッションズ司法長官が合法化している州での取引を取り締まると明言する一方、トランプ大統領は、同業界への介入に連邦予算を使用することを年内まで禁止している。

米国民の大麻合法化に対する支持は拡大している。ロイターとイプソスが10月27日─11月10日に実施した世論調査によると、少量のマリフアナ所有は「合法化されるべき」と考えている成人は54%に上り、5年前に行われた同様の調査での41%から増加した。

それでも連邦法が足かせとなり、マリフアナ関連企業が銀行サービスを受けるには困難が伴う。多くは現金で取引を行うか、高額な手数料を支払い続けている。

マリフアナ関連企業と取引する銀行は主に、合法化されている州のコミュニティー機関であり、サービスは預金に限られている。

大麻への投資は依然として富裕層の個人で占められているが、業界が成長するにつれ、ベンチャーキャピタルや、最近までマリフアナ関連企業に興味がなかった株式投資家を魅了するなど、その顔ぶれは変貌を遂げつつある。

大きく開かれたチャンスに、彼らは引き寄せられていると、ツイッターやバズフィードなど名の通ったメディア新興企業向け投資で知られる米ベンチャー投資会社レラー・ヒッポー・ベンチャーズのエリック・ヒッポー氏は話す。

「インフラ基盤も、何もないところから始まっている業界だ。前途有望な大麻関連のソフトウエア新興企業がたくさんある。こうした企業は簡単に稼げるだろう」

このような新興企業の一部は、栽培から販売までを管理する追跡システムのソフトウエアや在庫管理を提供している。ヒッポー・ベンチャーズは今年、マリフアナ薬局が在庫を仕入れるための市場を提供するB2Bプラットフォーム「リーフリンク」による300万ドルの増資に参加した。

大麻業界に好意的な他の有望なベンチャーキャピタルには、ペイパルの共同創業者ピーター・ティール氏が始めた「ファウンダーズ・ファンド」があり、同業界向けプライベートエクイティ(PE)ファンド「プライベティア・ホールディングス」に投資している。

米シリコンバレーの著名なベンチャーキャピタルである500スタートアップスやDCMベンチャーズ、そしてニューヨークに拠点を置くグレート・オークス・ベンチャー・キャピタルは、患者が医療用マリフアナを注文できる宅配アプリを提供するEazeに出資している。

「汚名は徐々に消えつつあり、テクノロジー分野の起業家や有能なエンジニアなど、本当の才能を持つ人材が出てきた」と、DCMベンチャーズのプリンシパル、カイル・ルイ氏は言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

貿易収支、2月は573億円の黒字 対米輸出は3カ月

ビジネス

米航空各社、旺盛な需要報告 燃料価格の高騰「吸収可

ビジネス

世界の航空会社が運賃値上げや路線削減、燃料費高騰で

ワールド

イラン、米との緊張緩和案拒否 政権幹部ラリジャニ氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    「目のやり場に困る...」グウィネス・パルトロウの「…
  • 10
    戦争反対から一変...湾岸諸国が望む「イランの脅威」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中