最新記事

中国社会

マラソン演説と大量のお茶、党大会に見た中国らしさ

2017年10月22日(日)10時13分

習近平総書記の演説原稿を虫眼鏡で見る江沢民氏。人民大会堂で18日撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

演説は長く、出された飲み物は倹約的だったが、河北省から来た共産党職員のZhang Weiguo氏は感激していた。

「非常に説得力があり、感染力もあり、論旨が一貫していて、聴衆を盛り上げる力があった」と、Zhang氏は党総書記の習近平国家主席が人民大会堂で3時間半近い演説を行い、第19回党大会の開幕を宣言した後に語った。

「すっかり影響され、限りなく士気が高まって会場から出てきた」

中国共産党大会は、風船が舞い、聴衆の大歓声でロックコンサートのような盛り上がりをみせる米国の民主党や共和党の党大会とは全く様子が異なる。

ほとんどの出席者は地味なスーツを着て、一斉に演説原稿のページをめくり、合図で礼儀正しく拍手した。まるで学会のような雰囲気のなか、5年に一度開催される中国最重要のこの政治イベントは幕を開けた。

これが、中国的な特徴を持った党派政治というものだ。中国の少数民族の代表者は、いつものように民族衣装で出席することを義務付けられた。手の込んだ民族帽をかぶった人も少なくなく、報道カメラマンがその周りに集まっていた。

オリンピック選手の出席者は、中国チームのジャケットを着用していた。軍人や警察官は、男性も女性もピシッとした制服姿だ。習氏を含めた出席者全員が、赤い氏名バッジを身に着けていた。

会場の人民大会堂に入るには、X線検査器や金属探知機を使った空港並みのセキュリティーチェックを通る必要があった。外部からの飲食物の持ち込みは禁止だ。雨のなか日の出前から列に並んだ取材記者は多かったが、携帯電話の持ち込みは1人1台に制限された。

人民大会堂で習氏は、今後数十年先までの力強く自信にあふれた中国のビジョンを語った。この演説は、今後数カ月かけて全土の党員が集中的に研究し、演説内容や言葉遣いのお手本として使われる。

それでも、中国の政治家の基準からみてもこの演説は「マラソン」で、途中で居眠りする出席者もいた。

休憩したい出席者には、ホールの外で身長順に並んだ制服の係員がお茶やお湯を「人民大会堂」のロゴ入り紙コップに注いでくれた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国1月自動車販売19.5%減、約2年ぶり減少幅 

ワールド

米下院、トランプ関税への異議申し立て禁止規定を否決

ビジネス

深セン市政府、中国万科向けに116億ドルの救済策策

ビジネス

円続伸し152円台後半、ドルは弱い指標が重し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 9
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中