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マラソン演説と大量のお茶、党大会に見た中国らしさ

2017年10月22日(日)10時13分

5年前の第18回党大会の時にもいた係員は、変更点は何もないと話す。

「全て同じだ。ただ、われわれのサービスは良くなっている」

強力な権力を持つ党の中央委員会委員や過去の指導者が並んだステージの上では、係員の男女が定期的に同時にステージの両袖から行進して現れては、磁器の茶碗にお湯を注いでいた。2時間が経過すると、トイレ休憩に立つ出席者も出てきた。

四川省代表団のLuo Jialin氏は、人民大会堂内の郵便局に急ぎ、同大会堂の消印を押した党大会の記念切手シート5部を450元(約7600円)で購入した。

「とても記念になるので、地元に持って帰る」と、Luo氏は言った。

習氏の演説は生中継され、テレビなどで見る人たちの様子がソーシャルメディア上に流れた。病院の医師たちから、チベットの僧侶、拘置所の囚人、中には幼稚園の子どもたちまでいた。演説の様子を生中継するテレビの前に座る猫の写真も投稿された。

外国人記者向けに印刷された習氏の演説原稿はラオス語やポルトガル語を含む12カ国語で出され、5年前の8カ国語から増加した。中国語版は68ページあった。

あまり人前に出てこない91歳の江沢民元国家主席が、大きな虫眼鏡で手元の原稿を見る写真は、瞬く間にネット上で拡散した。

後になって、江氏の虫眼鏡がドイツ製であることを誰かが突き止め、通販サイト「淘宝網(タオバオ)」に出ていたその広告写真を投稿した。価格は1598元(約2万7000円)だった。

(翻訳:山口香子 編集:伊藤典子)

[John Ruwitch

[北京 18日 ロイター]]


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Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

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