最新記事

選挙

衆院選、5割超の企業が与党3分の2を割り込むことを希望

2017年10月18日(水)10時30分

10月18日、10月ロイター企業調査によると、衆議院選挙後も与党政権の継続を望む回答が9割超を占めた。福島で10日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

10月ロイター企業調査によると、衆議院選挙後も与党政権の継続を望む回答が9割超を占めた。ただ、議席数については「過半数は維持しても3分の2は維持できない」結果が望ましいとの回答が48%と最も多く、「過半数割れ」の6%と合わせ、5割超の企業が与党で3分の2を割り込むことが望ましいと答えた。

注力すべき課題は「財政再建」が最も多く、基礎的財政収支(PB)黒字化先送りや消費増税の使途変更への支持は半数に届かなかった。

この調査は、資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に9月28日─10月12日に実施。回答社数は240社程度。

政権与党の緩みを批判、議席減で緊張感を

企業にとって政権の安定とスムーズな政策実行が事業環境の前提であり、与党が過半数を取る結果を望む回答が94%を占めた。「過半数割れ」を望む回答は6%。

ただ、企業は必ずしも安倍晋三首相の続投を望んでいるわけではない。首相自身は与党で過半数を維持できれば首相を続投すると宣言しているが、「安倍首相の政権運営は目先のスローガンの架け替えだけの目くらまし。退任することが望ましい」(機械)、「首相の信頼感は元には戻らない」(サービス)など、厳しいコメントも目立つ。

議席数としては、全体の48%が「過半数は維持しても3分の2は維持できない」結果を望んでいる。「安定していながらも、危機感を持って政権運営してほしい」(卸売)との声が多く、「問題視されている案件に謙虚に対応してもらう意味で、この程度(3分の2割れ)の議席数が望ましい」(精密機器)との見方が多い。

他方で3分の2議席以上を望む企業は「政治および経済施策が再々変わると経済が伸びない」(紙・パルプ)などとして事業環境の安定を望んでおり、「実現不可能な公約を掲げ、票数稼ぎしかできない野党に政権を担う力はない」(金属製品)といった指摘もあり、野党の政権担当能力への不信感も示された。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、新たな対イラン制裁発表 イスラエルへの攻撃受け

ワールド

イラン司令官、核の原則見直し示唆 イスラエル反撃を

ワールド

ロシア、5─8年でNATO攻撃の準備整う公算=ドイ

ビジネス

4月米フィラデルフィア連銀業況指数、15.5に大幅
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中