最新記事

日本政治

自公が衆院の3分の2超、立憲は3倍の躍進 首相は「謙虚に」

2017年10月23日(月)10時10分

 10月22日、第48回衆院選は、自民党と公明党の獲得議席が、安定的な国会運営を可能とする「絶対安定多数」の261議席を上回った。写真は安倍晋三首相。都内で21日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

第48回衆院選は、自民党が公示前に迫る283議席(追加公認含む)を獲得し、公明党と合わせて465議席の3分の2を上回った。政権交代を訴えた希望の党は公示前勢力を下回る一方、公示前の3倍を超える勢力となった立憲民主党は54議席と野党第1党に躍り出た。与党は、法案の衆院での再可決と憲法改正の発議が可能になった。

安倍晋三首相は22日夜、「選挙結果に謙虚に向き合う」と述べた。自民党の二階俊博幹事長は、安倍晋三首相に対する信任を得たとの認識を示した。

安倍首相は、憲法改正について「時期ありきではない。しっかりと憲法審査会で議論して、あるいは国会において議論をしていかなければならない」と語った。

そのうえで「与党だけで発議しようとは考えていない。できるだけ多くの方々の賛成を得るべく努力していきたい」、「希望の党をはじめ、他の政党とも話をさせていただきたい」と述べた。

二階幹事長は、来年9月の自民党総裁選での安倍総裁の3選支持のスタンスに変化はないとの見解も示した。

ただ、自民党の岸田文雄・政調会長は、安倍総裁の3選が有力かとの質問に対し、「1年近く先の話であり、今から話すべきことではない」「何があるかわからない。一寸先は闇だ」と語った。

また、同党の小泉進次郎・筆頭副幹事長も「政治は何が起きるかわからない。来年のことを話すのは早い」と語った。

一方、政権交代を掲げた希望の党は、公示前の57議席を維持できず、野党第1党の座を立憲民主党に譲り渡す結果になった。

小池百合子代表は22日夜、出張先のパリで記者団の質問に答え、非常に厳しい結果だと述べるとともに「これまでの言動で、不快な思いを抱かせたことは申し訳ない」と語った。

公明党は目標の35議席に届かず29議席となり、連立与党内で明暗を分けている。

野党側では、立憲民主党が躍進し、今後の国会運営では、安倍政権との対立を鮮明にしていくとみられる。

日本共産党は12議席となり、公示前から大幅に議席を減らした。日本維新の会は、地盤の大阪で小選挙区で競り負けるところがあり、公示前勢力を下回った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中