最新記事

サウジアラビア

自転車に乗れる自由を求めてサウジで奮闘する女性

2017年9月25日(月)19時30分
松丸さとみ

こうした活動は、少しずつではあるのが実り始めている。サウジアラビアでスタートアップ企業に贈る賞にスポークス・ハブが選ばれ、リーマ王女も公的にスポークス・ハブ支持を表明した。リーマ王女は、サウジアラビアのスポーツ総合庁で女性スポーツ振興担当を務めている。

女性解放が進むサウジ

サウジアラビアではここ数年、女性を解放する動きが活発化している。2012年にはサウジの女性選手が初めてオリンピックに出場できるようになり、2015年には、同国の歴史で初めて、女性が地方議会選に立候補する権利と投票する権利が与えられた。またインディペンデントは今年5月、サウジアラビアの女性が男性後見人の許可なしに教育や医療などの国のサービスを受けられるよう許可した、と伝えていた。

ところで自転車が発明されたのは19世紀のドイツだと言われている。自転車と女性、服飾の歴史について調査を行う「バイクス・アンド・ブルーマーズ」によると、19世紀の英国でも、ルハイドさん同様に、女性が自転車に乗っていると石を投げられたり、侮辱的な言葉を浴びせられたりした時代があった。

日本語で「ブルマー」と言えば、昔の女性用体操着だが、もともとは女性解放運動をした米国人女性ブルーマー夫人が考案した服装だ。ルハイドさん同様、動きやすいように足の部分をズボンの形状にし、自転車に乗る女性たちに愛用されたらしい。

自転車が生まれた西側諸国でも、そのような歴史を経て女性たちは自転車に乗る自由を手にしてきた。ルハイドさんの活動で、サウジの女性たちが自由に自転車に乗れる日も、きっといつか来るだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

PayPayの米上場、米政府閉鎖の影響で審査止まっ

ワールド

マクロスコープ:高市首相が教育・防衛国債に含み、専

ビジネス

日鉄、今期はUSスチール収益見込まず 下方修正で純

ビジネス

トヨタが通期業績を上方修正、販売など堅調 米関税の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中