最新記事

経済制裁

北朝鮮に安保理の制裁決議の影響 燃料価格が高騰

2017年9月19日(火)14時49分


燃料価格の上昇

北朝鮮はそれでも経済独立性を高めており、国際的な圧力が経済に大きな影響を及ぼしているとの見方で、全ての貿易商や関係者が一致している訳ではない。

供給制限や物資不足に長年慣らされている北朝鮮住民の多くは、ただでさえ不足している燃料供給がさらに制限されることを最も心配していると、脱北者で現在は韓国の北朝鮮専門ネット新聞「デイリーNK」で働くKang Mi-jinさんは話す。

「米国がたとえ平壌爆撃計画を公表したとしても、北朝鮮人は気にも留めないだろう。だがもし中国が、ミサイルや核実験を理由に北朝鮮への石油輸出削減を検討していると公表すれば、大騒ぎになる」と、Kangさんは言った。

ロイターは6月下旬に、中国石油天然気集団(CNPC)が、代金が回収不能になる懸念から、北朝鮮へのガソリンと燃料の輸出を停止したと報じた。中国税関のデータによると、7月の北朝鮮向けガソリン輸出は前年比97%減少している。

北朝鮮のガソリンとディーゼル燃料価格は、輸出停止措置を受けて急上昇し、昨年下旬と比べほぼ2倍になっている。デイリーNKによると、9月上旬のガソリン平均価格は、1キロ1.73ドル(193円)で、12月下旬の0.97ドルからほぼ倍増した。

「生活費は上昇し、石油価格も上がり、道路を走る車の数も減っている」と、平壌在住の外国人はロイターに語った。中国が今年北朝鮮からの石炭輸入を停止したことを受け、石炭だけは価格が下がったという。

石油の供給不足や価格高騰は、さらなる供給制限を見込んだ「備蓄」の動きにも原因があるかもしれない。

北朝鮮は、沿岸部の元山で今月予定されていた航空ショーを、「現在の地政学的情勢」を理由に中止した。複数の中国貿易商は、中止の原因は、軍が航空燃料を節約しているためだと指摘する。

最新の国連制裁は、北朝鮮へのコンデンセートと天然ガス液の輸出を禁止し、石油精製品は年間200万バレルを上限とした。また原油は現行輸出量を上限とする内容だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ関税の大半違法、米控訴裁が判断 「最後は勝

ビジネス

アングル:中国、高齢者市場に活路 「シルバー経済」

ビジネス

米国株式市場=反落、デルやエヌビディアなどAI関連

ワールド

米、パレスチナ当局者へのビザ発給拒否 国連総会出席
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界がうらやむ国」ノルウェーがハマった落とし穴
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 10
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中