最新記事

環境問題

中国の汚染廃水対策、世界の水処理企業が熱視線

2017年7月11日(火)12時57分

中国全土で水道事業を手掛けているヴェオリアのような外国企業はこれまでも存在したが、最近では浄水に重点を置いた大規模事業が勢いを増している。

2016年に発表された中国の5カ年計画では、汚染対策が強調されている。その前年に発表されたアクションプランの中で、政府は2030年までに全国的に水質を改善すべく巨額の資金を投じるとしている。

一方、地方当局は自身の計画を実施するための資金繰りに苦労しており、そのことが民間企業に一段と機会を与えている。

押し寄せる企業

エメフシーは年末までに中国で小型の汚水処理装置8台を稼働させる計画で、現在同国で工場を建設中だという。同社はすでに、江蘇省の常州にある学校で小型トラックほどの大きさの移動式装置を設置しているほか、同州無錫の下水処理場でも別の装置を稼働させている。

エメフシーによれば、同社の小型装置は1日当たり2万リットルの汚水を処理することが可能で、設置に2カ月を要するという。また、エネルギーコストが非常に低く、地方の市場には理想的だとしている。

ベンチャー企業のRWLウオーターは、中国の地方における汚水処理事業において「進出を加速」させるべく、7月にエメフシーと合弁企業を設立する。

両社は中国国有の北控水務集団や中国水務投資のほか、北京桑徳環境工程<0967.HK>や康達国際環保<6136.HK>といった地元企業としのぎを削ることになる。

環境基準の強化はあらゆる規模の企業を呼び込んでいるが、主要プロジェクトを支配しているのは依然として国有の大企業だと、繊維産業に水処理技術を売っている江蘇緑尚環保科技のゼネラルマネジャー、Xue Xiaohu氏は指摘する。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

バイデン氏「6歳児と戦っている」、大統領選巡りトラ

ワールド

焦点:認知症薬レカネマブ、米で普及進まず 医師に「

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中